研究課題/領域番号 |
20K11742
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山田 浩史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00571572)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 仮想マシン移送 / インメモリデータベース / 仮想化技術 |
研究実績の概要 |
本応募課題では,インメモリ DB が稼動している仮想マシン(VM)を移送する方式について研究する.従来,独立性の高かったインメモリ DB レイヤと VM モニタレイヤのメモリ管理を互いに協調させることによって総移送時間を達成する.結果として,VM 再配置によるメリットである負荷分散や消費電力削減といった恩恵をインメモリ DB が稼働する VM にもたらす.また,提案方式をソフトウェアとして実現することで,定量的な有用性を示す.初年度は提案方式のプロトタイピングの完了を目指す.実ソフトウェアに対する提案方式の有効性を示すために,Linux および QEMU,memcached といった広く利用されているソフトウェアに提案方式を組み込む.次年度以降には,ワークロードを稼働させて念入りに動作を解析,評価する.具体的にはYCSB といったに実践的なワークロードを与えて,移送時間や資源使用量を測定し,提案方式の利害得失を定量的に示す.
2020年度は提案方式の詳細設計およびプロトタイプの実装を行った.Linux 環境では,QEMU と呼ばれるソフトウェアモジュールが VM および VM 移送を実行している.これらに対して 1)データアイテム以外のメモリ領域を転送する機構,2) 移送開始および完了を VM に通知する機構を組み込む.1)は移送元,2)は移送元と先とで動作する.ここで,QEMU は memcached の資源管理情報を共有していないため,データアイテムがどのメモリページに配備されているかなどを把握できない.そこで,memcached と Linux とを連動させ,3)データアイテムのメモリページの物理アドレスを QEMU に通知する機構,4)頻繁にアクセスされるデータアイテムを抽出する機構,を用意し,これらを連動させる.これらのプロトタイプ実装を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりに進んでいる.これまでに研究実施者がノウハウを蓄積したシステムソフトウェアを対象に提案方式を設計および実装をしているため,それが功を奏している.
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降も提案書の計画通りに進めていく予定である.
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