研究実績の概要 |
2022年度は、全南大学校のKwanghoon Choi教授とともに、国際会議ACM Partial Evaluation and Program Manipulation(PEPM 2021)で発表を行ったLR構文解析に基づく構文補完方式について、Haskell、C、Small Basic、PolyRPC等の言語に実際に適用したところ、問題点がいくつかあり、それらに対応するため、simple candidate, nested candidate, extended simple candidate等、補完候補の仕様をいくつか定め、それらを計算するアルゴリズムを考案し、Haskell言語で実装した。実装した補完候補計算システムは、以前から用いているEmacs Lispのプログラムを用いることにより、Emacs上でプログラム編集中にTabキーを押すことにより呼び出され、計算結果である補完候補がEmacsに送られ、popup windowとして表示され、プログラマが候補を選択するとカーソル位置に挿入される。 さらに、さまざまなプログラム例に対し補完候補計算にかかる時間や計算される補完候補を確認し、整理した。複雑な仕様における補完候補を求める場合においても、約0.2秒以下で半分の補完候補が計算され、9割程度の補完候補が約1秒以内で計算されることを確認した。これらの内容を論文としてまとめ、国際論文誌へ投稿し、現在査読中である。また、査読コメントをもとに、既存研究との比較、参考文献の追加等、さまざまな点で論文の改良を行った。実装したシステムのソースコードはgithub(https://github.com/kwanghoon/{yapb,arith,smllike,sbparser,polyrpc,c11parser,haskellparser})上で公開している。
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