| 研究課題/領域番号 |
20K11755
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| 研究機関 | 東京都市大学 |
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研究代表者 |
兪 明連 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (80451384)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | モバイル分散型システム / キャッシュメモリ / キャッシング置き換え / オブジェクトの価値評価 / キャッシング費用 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、モバイル分散型システムにおいて、他ノードのオブジェクトを参照するためキャッシングする場合を対象に、キャッシング費用を節減する置き換えアルゴリズムを提案し、提案したキャッシュメモリ管理手法を搭載したリアルタイムOSを開発することを目的とし、１．キャッシュメモリから削除するオブジェクトを選択するための基準になる「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」２．キャッシュメモリ内のオブジェクトから新しく参照されるオブジェクトに入れ替える「キャッシング置き換えモジュール」を搭載したリアルタイムOSを実現する。
2020年度は、計画のとおり、１．キャッシュメモリから削除するオブジェクトを選択するための基準になる「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」について、（１）時間的な局所性に基づいたキャッシュメモリ内のオブジェクトの特徴と人気度分析、（２）キャッシュメモリ内のオブジェクトの保管によって節減される費用計算、（３）キャッシング環境の参照パターン分析、（４）キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラムの実装実験及び評価を行った。
具体的には、（１）については、オブジェクトについて過去の参照記録を調査し、最近の参照される頻度によって将来の参照可能性を予測する作業を行った。（２）については、ノードの位置及びオブジェクトのサイズによるキャッシング費用を計算した。（３）については、ノードの作業負荷及びキャッシングパターンなどについて統計的な分析を行った。（４）については、（３）の結果に基づいて、キャッシュメモリ内のオブジェクトについて、価値を評価するプログラムの実装を行った。
そして、それらの成果を国際会議にて発表するため論文の準備を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、１．キャッシュメモリから削除するオブジェクトを選択するための基準になる「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」について、（１）時間的な局所性に基づいたキャッシュメモリ内のオブジェクトの特徴と人気度分析、（２）キャッシュメモリ内のオブジェクトの保管によって節減される費用計算、（３）キャッシング環境の参照パターン分析、（４）キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラムの実装実験及び評価を計画していた。
（１）については、オブジェクトについて将来の参照可能性を予測する作業を完了しており、順調である。（２）についても、キャッシング費用を計算することを完了しており、順調である。（３）についても、キャッシングパターンについて分析しており、計画とおり進んでいる。（４）については、キャッシュメモリ内のオブジェクトについて、価値を評価するプログラムの実装までは完了している。評価がやや遅れているが、ほぼ計画どおりである。
以上のように、（４）の項目が若干遅れているが、全体としておおむね順調に進展していると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2021年度は、１．「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」の（４）キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラムの実装実験及び評価について、2020年度に完了できなかった評価を完了するとともに、２．キャッシュメモリ内のオブジェクトから新しく参照されるオブジェクトに入れ替える「キャッシング置き換えモジュール」について、（１）キャッシュメモリ内のオブジェクトのヒープ構造の作成、（２）キャッシュメモリ内のオブジェクトの削除モジュール作成、（３）新しく参照するオブジェクトの入れ替えモジュール作成を行う予定である。そして、成果を国際会議で発表する。
2022年度は、キャッシング置き換えモジュールのモバイル分散環境OSへの組み込みとシステムの性能評価を行い、本研究を完了する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため、参加を計画した国際会議及び国内の研究会などが開催キャンセルになったり、オンラインでの開催になって、2020年度の旅費の費目に未使用額が生じている。また、会議に参加できなかったため、参加費などの実支出額が研究計画で計上した費用より安くなった。
2021年度は、オンラインでも積極的に学会に参加して情報収集や研究発表を行い、また2020年度の未使用額をその他の費目に用いて論文掲載料としての支出を計画している。
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