研究課題/領域番号 |
20K11755
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
兪 明連 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (80451384)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | モバイル分散型システム / キャッシュメモリ / キャッシング置き換え / オブジェクトの価値 / ヒープ構造 |
研究実績の概要 |
本研究は、モバイル分散型システムにおいて、他ノードのオブジェクトを参照するためキャッシングする場合を対象に、キャッシング費用を節減する置き換えアルゴリズムを提案し、提案したキャッシュメモリ管理手法を搭載したリアルタイムOSを開発することを目的とし、1.キャッシュメモリから削除するオブジェクトを選択するための基準になる「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」と2.キャッシュメモリ内のオブジェクトから新しく参照されるオブジェクトに入れ替える「キャッシング置き換えモジュール」を搭載したリアルタイムOSを実現する。 2022年度は、(1)2021年度に作成したキャッシング置き換えモジュールをモバイル分散環境OSに組み込んで、(2)システムの性能評価を行うとの計画であったが、2021年度に作成した新しく参照されるオブジェクトの価値に基づいたヒープ構造に新しいオブジェクトを追加するモジュールの性能があまり高くなかったため、ヒープ構造の変更や置き換えアルゴリズムの修正を行い、キャッシング置き換えモジュールを完成した。具体的には、ヒープ構造のルートに該当するオブジェクトをキャッシュメモリから削除するモジュールにおけるヒープ構造の修正、新しく参照されるオブジェクトの価値を計算してヒープ構造に追加するモジュールにおけるヒープ構造の修正を行った。 そして、それらの成果を国際会議にて発表するため論文の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、(1)2021年度に作成したキャッシング置き換えモジュールをモバイル分散環境OSに組み込んで、(2)システムの性能評価を行うことを計画していた。 しかし、(1)におけるキャッシング置き換えモジュールの性能があまり高くなかったため、モバイル分散環境OSに組み込む前に、モジュールの修正を行う必要があった。そのため、ヒープ構造やアルゴリズムの修正に時間がかかり、2022年度に予定した(1)モバイル分散環境OSに組み込むことと(2)システムの性能評価を次年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2020年度に作成した1.キャッシュメモリから削除するオブジェクトを選択するための基準になる「キャッシュメモリ内のオブジェクトの価値評価プログラム」と2022年度に作成した2.キャッシュメモリ内のオブジェクトから新しく参照されるオブジェクトに入れ替える「キャッシング置き換えモジュール」のモバイル分散環境OSへの組み込みとシステムの性能評価を行う予定である。そして、成果を国際会議で発表することで、本研究を完了する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため、参加を計画した国際会議及び国内の研究会などがキャンセル、またはオンラインでの開催になり、2021年度の旅費の費目及び人件費に未使用額が生じている。また、研究が計画より遅くなったため、成果発表ができず、研究計画で計上した費用から論文掲載料などの未使用額が生じている。 2023年度は、学会での情報収集や研究発表、また論文掲載料としての支出を計画している。
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