研究課題/領域番号 |
20K11768
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
木下 和彦 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40304018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 無線ネットワーク / 仮想化 / QoS |
研究実績の概要 |
近年,高機能携帯端末の普及に伴い,モバイルデータトラヒックが急増している.そこで,無線通信容量増加のために,無線LANアクセスポイント(AP) が稠密に配置されるようになってきた.また,現在の2.4GHz, 5GHz帯に加えて60GHz帯を用いた規格の実用化が進められており,今後は電波到達範囲が異なるAP の共存が考えられる.そこで本研究では,異なる無線システムが混在する環境で稠密に配置されたAPを有効に利用する方法について検討する.具体的には,WWW閲覧やメール送受信,ファイル転送などの古典的なベストエフォート型サービス(Best Effort/以下BE)と,動画閲覧などのストリーミングサービスを一定の帯域を保証して提供するサービス(Guaranteed Bit Rate/以下GBR)を想定し,サービスごとに複数の物理AP から構成される仮想AP を形成して,GBR サービスの呼損率を目標値以下に抑えながらBE サービスの満足度を可能な限り向上させる手法を提案する. 研究初年度である令和2年度においては,全GBRユーザが等量の帯域を要求する最も簡単な条件下で各仮想APを構成するのに最適な物理APを選択する方法と,新しいユーザの接続時に最適な物理APを選択する方法に関する基礎理論を確立した. このとき,通信の方向を考慮し,上り通信と下り通信の間での公平性を向上させるよう,事前に無線LANの通信特性を予備実験によって評価し,仮想化に反映させている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進捗している.COVID-19の影響で他の研究者と意見交換の場を持つことが難しかった一方,例年より多くの国内研究会・国際会議にオンライン参加することができ,関連研究の最新情報を得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
2年目の令和3年度においては,通信中のBEユーザの接続先物理APを最適なものに変更する方法に関する基礎理論を確立し,今年度に得られた方法との連携を図る.3年目以降は,より一般的な条件に適用できるよう方式を拡張する一方,実機実験による有効性検証を計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:ワークステーションが3月に納品となり、支払が完了していないため。また、予定していた情報収集及び成果発表のための出張が、新型コロナウイルス感染拡大のため実施できなくなり、次年度使用額が生じたため。 使用計画:ワークステーションの支払が4月に完了する予定である。また、当初予定していた出張を次年度に実施するほか、更なる情報収集のためにオンラインでの学会参加や論文購入に使用する予定である。
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