研究課題/領域番号 |
20K11773
|
研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
柴田 義孝 岩手県立大学, その他部局等, 特命教授 (80129791)
|
研究分担者 |
内田 法彦 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (10610298)
櫻庭 彬 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20650766)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | V2X / コグニティブ無線 / 路面状況 / IoT / 環境センサ |
研究実績の概要 |
1)路面状態の分析・判定システムのは開発:昨年度は、積雪・凍結期間が短かったために十分な実験データが採集出来なかったが、今年度は、冬期早々に実験を開始できたので、道路状況の精度および予測モデルを構築するに必要なデータを採集できた。また路面状態の判定精度も従来の75%から90%に向上させることが出来た。これらの結果の一部は、国際会議EIDWT2022でon-lineで発表し、高い評価を得ることができた。 2)インターネットゲートウェイ機能の開発: 道路の側帯に設置される路肩サーバ(SRS)に、通過する複数の車載サーバ(SMB)から集積したセンサデータを逐次的に車路間通信を可能とクラウドに対しゲートウェイする方法として、MQTT方法を開発した。そして実験室内であったが、実際に車路間通信を行ったところ、データ転送量の少ないりょうでは従来のFTP法に比較してオーバヘッドが小さく総データ転送時間(通信確立時間+データ転送時間)は小さくなり、効率が改善できた。しかしながらデータ量が多い場合は、データ転送時間が支配的になり、総データ転送時間が相対的に大きくなることがわかった。今後は、MQTT法とFTP法を組合せ、転送データ量に応じて動的に転送方式を切り変えるなどの方法を開発する。この成果は国際会議AINA2022にてon-line発表を行い、高い評価を得た。 3)道路状態表示用ビューアの開発:車載センササーバで収集されたデータをリアルタイムで表示させるビューアとしてオープンソースのMetabaseを導入してビューアシステムの開発を行った.これによりドライバが走行する路面状況を先取りして危険個所を事前に把握出来、より安心安全な走行を可能にした。この成果も2)と同様に国際会議AINA2022にて発表し高い評価を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)昨年度、積雪・凍結期間が短かったために十分な実験データが採集出来なかったが、今年度は、冬期早々に実験を開始できたので、道路状況の精度および予測モデルを構築するに必要なデータを採集できたため、実験および分析が順調に進めることが出来た。 2)、3)の研究開発には通信モジュールおよびエッジコンピュータが必要であり、半導体不足となり、納品が遅れたが、ソフトウェアの開発行程を短縮することが出来き、結果と結果としてスケジュール通り開発を完了し、支障なく実験および分析・評価することが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
広域道路状況ビッグデータGISシステムの開発:各地のSRSエッジコンピュータに蓄積された道路状況センサデータをクラウドに時空間データとして集約して管理および運用のためのデータベースシステムをクラウド内に開発する.また、オープンデータとして気象庁から気温や気圧等の気象メッシュデータをビッグデータとして統合し、AI(機械学習)技術により、現時刻から先の走行していない道路状況を予測できる広域道路状況ビッグデータGISシステムを開発する.GISシステムとしてオープンソースのQGISを導入し、電子地図として国土地理院の「電子国土」を導入する.そして実際に公共交通機関(岩手県県北バス)と連携し、県内の国道にてGISシステムの性能・機能を評価する総合通信評価実験を行い、現時点での有効性や問題点を明らかにする.
|
次年度使用額が生じた理由 |
ニューコロナ感染拡大のため、研究分担者で旅費と人件費・謝金(特に国際会議の出張費および実証実験補助)が計画通りに執行出来なかった。翌年度は、コロナ感染も安定しており、海外渡航も可能となることから、執行出来ると考えられる。また今年度執行できなかった、学生実験補助も可能となることから予定通り執行できるものと考えられる。
|