研究課題/領域番号 |
20K11783
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
玉井 森彦 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 主任研究員 (90523077)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 無線通信パラメタ探索 / シミュレーション環境援用 |
研究実績の概要 |
本年度はシミュレーション環境構築に必要な情報を収集するセンシング方式と,収集した情報に従いシミュレーション環境上でのパラメタを設定する方式について基礎部分の検討と実装を行った.センシングについては,802.11に従う信号を複数ノードで受信し,物理層とMAC(Medium Access Control)層に関する情報の取得を行う.物理層に関しては,SDR(Software Defined Radio)デバイスを用いてIQ信号を取得・解析し,信号強度,チャネル推定値,信号の有無判定結果等の情報を抽出する方式を実装した.またMAC層に関しては,キャプチャ結果から各種ヘッダ情報を取得した上で,実環境上に存在するノード数,それらの通信トポロジ,各ノードのパケットロスの発生状況等の情報を抽出する方式を実装した.本研究におけるシミュレーション環境構築の基盤としては,ns-3を用いる.センシングにより取得した情報をシミュレーション環境に反映し実行を行うため,シミュレーション環境上での各種パラメタをセンシング結果に応じて動的に設定する方式について検討を行い,その一部の機能の実装を行った.本機能については,引き続き次年度での実装を進める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SDRデバイスやキャプチャノードによるセンシング情報の取得に関して,その実装を通じて当初想定していた内容のデータの取得が可能なことを確認した.また,シミュレーション環境構築について,センシング結果のシミュレーション環境への反映に必要な機能の検討と,その一部機能の実装を完了した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度,引き続きセンシング結果をシミュレーション環境上へ反映する方式の実装を進める.また,シミュレーション環境上で,適切な通信パラメタを探索する方式についての検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
SDRデバイスが想定より高価であったため,全体的なセンサノード数の見直しを行ったため.次年度,より安価なデバイスの購入を検討する.
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