研究課題/領域番号 |
20K11817
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
神永 正博 東北学院大学, 工学部, 教授 (60266872)
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研究分担者 |
志子田 有光 東北学院大学, 工学部, 教授 (00215972)
鈴木 利則 東北学院大学, 工学部, 教授 (20500432)
深瀬 道晴 東北学院大学, 工学部, 講師 (30626502)
吉川 英機 東北学院大学, 工学部, 教授 (60259885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 暗号理論 |
研究実績の概要 |
本研究は論理演算型ブロック暗号に対する相関電力解析の困難性の原因を実験的に探り、安全な(耐タンパー性の高い)暗号の設計原理を調べることを目的としているが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で膨大なオンライン講義準備に追われ、加えて感染拡大防止のために実験的な研究が困難であったため、方針を変更し、数学およびシミュレーションに基づく理論的な研究に集中した。2020年度には、2本の論文を投稿し、現在審査中である。投稿した論文の内容は以下のとおりである。 1)神永は、dual oscillator architectureの真正乱数発生装置を確率過程の一種である再帰過程(renewal process)としてモデリングすることにより生成される乱数の一様性、独立性をコントロールできることを示し、論文にまとめた。 2)共同研究者の深瀬道晴講師と共著で、格子行列に対応するグラム行列の固有値と最短ベクトルの方向を調べたものである。特に、ダルムシュタット工科大学のSVP(Shortest Vector Problem) challengeで用いられるGoldstein-Mayer型の格子について、詳細なシミュレーションを行って、グラム行列の固有値問題との関連を調べ論文にまとめた。 まだ論文にはなっていないが、2)の研究を発展させ、グラム行列の数学的解析に関する研究を進めるとともに、遺伝的アルゴリズムによってSVPを解く研究を進めており、論文にまとめているところである。また、格子理論に基づくブロック暗号の構成法についても検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験的研究はできていないが、その分周辺の理論的な研究が進展している。コロナ禍の終息が見えてくれば実験的研究も再開できると思われ、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
上記2)の続きとして、グラム行列の数学的解析に関する研究を進める。特定の格子に関しては、具体的な計算が可能であるため、詳しい結果が得られると期待している。 遺伝的アルゴリズムによってSVPを解く研究については、既に多くのシミュレーションを行い、これまでの遺伝的アルゴリズムによる結果よりも優れた性能のアルゴリズムが得られている。できるだけ早い段階で論文にまとめる予定である。 格子理論に基づくブロック暗号の構成法についても検討中であり、プロトタイプを作成中である。これらの研究を進め、コロナ禍の終わりが見えてきた段階で実験的検討を再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は本格的な実験的研究を見送ったことや出張がなくなったことで当初予定と異なる支出となった。来年度以降は計画を見直して必要な物品の購入を行う。可能であれば出張費にも使用したいと思っているが、コロナ禍次第である。
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