研究課題/領域番号 |
20K11820
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
佐藤 公則 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (20215776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 空中個人フェニックス認証 / 非接触認証システム / PINコード / バイオメトリクス / 個人認証 |
研究実績の概要 |
本年度では、空中個人フェニックス認証を実現するために、まずは指先トラッキング技術の基礎実験および簡易な指検出プロトタイプを作成した。距離センサとしてLeapMotionを採用し、その動作確認および指数字認証に取り組んだ。その結果、提示した指数字を実時間で認識可能となり、非接触で数値を入力できるプロトタイプが完成した。これらの基礎実験からさらに実施計画で述べた、①3D 空中軌跡認証,②バーチャルタッチパネル,③フレキシブルな空中署名のプロトタイプも完成に至り、当初の計画を実現できた。①3D 空中軌跡認証では、現在,汎用的に用いられているアンドロイドスマートフォンの2Dパターン認証の3Dへの拡張で、実際空中にて指先を動かすことでPINコードが入力できる。②バーチャルタッチパネルは、現在ATMなどで用いられているタッチパネルを空中にバーチャルタッチパネルとして実装し、非接触にて4桁暗証番号を入力できる。③は,一般的なペンによる署名認証を,空中にて指先で署名を行い,なおかつ,フレキシブルに指を替えて署名し,どの指でどの部分を署名したかを認証するシステムであって、プロトタイプが完成した。 空中個人フェニックス認証として、「視線によるPINコード入力システム」を追加で構築でき、ランダムに並んだ数字を視線の注視により入力するというシステムも開発できた。 どちらもコロナ禍における非接触認証システムとして今後注目されることと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度では、①3D 空中軌跡認証,②バーチャルタッチパネル,③フレキシブルな空中署名の3手法のプロトタイプを完成する計画であり、おおむね順調に進展している。 距離センサとして採用したLeapMotionが、予想以上の高性能であり、当初指先トラッキングに多くの時間が取られる予想したが、スムーズにLeapMotionの動作確認とSDKを用いプログラム開発が進んだ。その結果、①3D 空中軌跡認証,②バーチャルタッチパネル,③フレキシブルな空中署名のプロトタイプを完成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍における非接触認証システムとして「フェニックス認証」を進めていく。2020年度では、空中における指先トラッキング技術による手法に注目したが、「視線」という空中かつ非接触モダリティの活用も視野にいれ、研究分野を広げてゆく予定である。そのため2020年度では、「視線センサ」の導入も行い、視線の注視によるPINコード入力システムの基礎実験を開始することができた。2021年度以降では、「フェニックス認証」として、空中指認証と視線の両モダリティに注目し非接触認証システムの研究を推進してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍のため予定していた旅費の使用が0円となった。学会発表や学会参加は、すべてオンラインであったため旅費を使う必要がなかった。次年度は、未使用額と合わせ、旅費や実験協力者への謝金に充てたい。
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