本年度では、指先トラッキング技術に優れ簡易な指検出センサとしてLeapMotionを採用し、以下の空中個人フェニックス認証システムの構築を行った。①バーチャルダイヤルを用いたPINコード入力システム②フィンガートラッキングによるPINコード入力システム、である。 ①では、LeapMotionを用い、空中にバーチャルダイヤルを置き、手のひらを空中で回すことで、数字を回転させPINコードを入力するシステムであり、他人受入率も0%のシステムが完成した。②では、LeapMotionを用い、両手の10本の指が空間に色付けされた矩形の中をフレキシブルに動き、特定の指が特定の色に入ったらクリックして入力するシステムで、ほぼショルダーハッキングは困難である。 研究期間令和2年度から令和5年を通して、研究計画書に述べた空中フェニックス認証システムを開発できた。先に挙げたシステムのほか、③指先と手首の動作による空中署名認証システム④手の形状と個別指定のタイミングによるPINコード入力システム、⑤オープンポジションにおける手形認証を用いた個人認証システム、⑥バーチャル鍵盤を用いた認証システム、⑦3次元座標空間における空中筆跡を用いた認証システム、⑧両手ジェスチャーによる個人認証システムである。 また、新たな試みとして、「視線によるPINコード入力システム」を追加で構築できた。これは「仮想空間」や「視線」というVR空間かつ非接触モダリティの活用も視野にいれたもので、Oculus QuestやTobii Proという視線を正確にトラッキング可能なセンサを用い、ランダムに並んだ数字を視線の注視により入力するシステムである。視線を利用することで、他人受入率は0%となり、セキュリティが大変高いシステムである。これらの空中個人フェニックス認証システムは、非接触認証システムとして今後注目されることと考えられる。
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