研究課題
本研究には,部分問題として次のような課題を設定していた.(1)プライバシーを侵害しうる要素を特定し,それぞれのリスクを測定.(2)プライバシー情報のうち,分析価値の高いものに対して,その価値をできるだけ保った匿名化加工法を考案.(3)元データを匿名化加工せずに非プライバシー情報化する手法を考案.(4)IoT情報の移動をサイバー空間・実空間でできるだけ局所化したマイニング手法(秘密分散計算技術)を開発.これまでに,(1)に関連して住所や位置情報サービスの緯度経度情報をk匿名化という観点で,実データに含まれるリスクを測定し,そのリスクを軽減する目的で(2)の問題として住所の匿名化手法について研究を進め,R4年度にその実装と実証実験を行い,その要約を国際会議にて発表した.(3・4)に関しては,研究期間開始時よりコロナ感染症の影響で,実際の移動に対して想定外の制約を受けることになったため,位置情報に関する実データの収集はできず,実証実験なしの主に理論的な研究と研究用の公開データベースを使用する範囲内で実験できる課題にしぼって実施した.これらは,主に,R4~R5年度に成果に結びついた.最終年度の成果は(R4年度の成果とも一部重複するが)(3・4)に関連したものとなった.具体的には(3)に相当する成果として,画像データをその画像としての視覚的情報を過度に失わないための多段階暗号化の研究とその医療画像データへの応用実験を実施し,その成果を論文として発表した.また,その研究から派生した成果としてブロックチェーン技術を利用した医療情報の共有手法に関する成果を論文誌へ投稿した.また,(4)に相当する成果として,秘密分散計算技術に基づくスカイライン問合せ(広い意味でデータマイニング手法の1つ)を開発し,その一部の成果を論文として発表し,また,その研究から発展した成果を別の論文誌へ投稿した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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