研究課題/領域番号 |
20K11831
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
花田 真樹 東京情報大学, 総合情報学部, 教授 (40373039)
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研究分担者 |
金光 永煥 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 講師 (60434362)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CCN / ストリーミング / 経路制御 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,コンテンツ指向ネットワークにおけるストリーミング型のコンテンツ配信に対して,ユーザやコンテンツソースの移動予測に基づくモビリティ支援技術を確立することである.令和2年度は,予定していた下記の研究項目①の検討・提案を実施した. 研究項目①:モバイル端末の移動予測手法と移動予測技術を利用したユーザモビリティに関する経路制御技術の確立 本研究項目では,まず,モバイル端末の移動予測手法を検討した.ネットワーク中継機器(ルータ)がモバイル端末からの受信電波強度を時系列で取得し,近似曲線を求め,ユーザの移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)を推定した.次に,ユーザの次の再生予定のチャンク(ストリーミングデータの分割データ)を,コンテンツソースからその移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)に先回りして,返送する手法の検討を行った.この検討の結果,チャンクを返送する際に,コンテンツソースからその移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)に経路を張る必要があることが明らかになった.そのため,(1).コンテンツソースから移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)にブロードキャストで返信する手法と(2).移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)からコンテンツソースに対して経路を張る手法の2つの手法の検討を行った.本年度は,まず,本研究項目の評価実験の際に必要となるチャンク要求の送信レートに関する実験を実施した.次に,前述の(1)の手法をNS3をベースとしたndnSIMシミュレータ(NS-3 based Named Data Networking (NDN9 simulator)上に実装し,既存方式との性能比較を行った.その結果,ユーザの移動先におけるチャンクの受信率が,既存方式と比較して12%ほど向上するという有用な結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は,研究実施計画の研究項目①「モバイル端末の移動予測手法と移動予測技術を利用したユーザモビリティに関する経路制御技術の確立」の検討・提案を行うことを予定していた.本研究項目において,2つの提案を行い,1つの目の提案である「コンテンツソースから移動先にあるネットワーク中継機器(ルータ)にブロードキャストで返信する手法」に関しては評価実験を実施し,有用な結果が得られた.しかしながら,2つの目の提案の評価実験が未実施となっている.今後は,チャンクの受信率の更なる向上を目指し,2つの目の提案の評価実験も実施し,1つの目の提案との比較や分析を行う必要があると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度以降は,研究実施計画の研究項目②「移動予測技術を利用したコンテンツソースモビリティに関する経路制御技術とネットワーク内キャッシング/プロセッシング技術の確立」に関する研究を実施する予定である. コンテンツソースが移動するコンテンツソースモビリティは,全ネットワーク中継機器(ルータ)の経路表の更新が必要となるため,ユーザモビリティと比較して複雑であり,難易度が高くなる.そのため,まずは,研究項目①における2つの目の提案である(2)の手法の評価実験を実施し,1つの目の提案との比較や分析を実施する. 研究項目②に関しては,研究項目①の移動予測手法によって移動先にあるルータを前もって把握できるため,ルータの経路表の更新を事前に行う方針を基本とした検討を進める.また,経路変更による影響を考慮して,特定のチャンクを冗長化して返送する手法についても検討する.この経路制御に関する研究が完了し次第,ネットワーク内キャッシング/プロセッシング技術に取り組む予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は次のとおりである.令和2年度の研究実施計画の研究項目①において,理論的な解析を進めるために,モバイル端末を用いて実測する予定であった電波強度の代わりに,ネットワークシミュレータに実装済みの電波強度の理論値を利用した.これにより,電波強度計測用のモバイル端末の購入費用が低く抑えられたためである.また,学会の開催がオンライン開催になったため,旅費が低く抑えられたためである. 次年度の使用計画は次のとおりである.令和3年度の研究実施計画の研究項目②では,経路制御に関する多くの手法を検討中である.そのため,多くのシミュレーション環境を整備する必要があり,シミュレーション用の計算機の台数や性能の増強のために使用する予定である.
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