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2021 年度 実施状況報告書

メニコア大規模クラスタ向け分散データ管理ライブラリおよびタスク管理機構との融合

研究課題

研究課題/領域番号 20K11841
研究機関神戸大学

研究代表者

鎌田 十三郎  神戸大学, システム情報学研究科, 講師 (20304131)

研究分担者 Finnerty Patrick・Martin  神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (50957628)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード分散集合ライブラリ / 動的負荷分散 / メニ―コアクラスタ
研究実績の概要

本研究は,メニコア大規模クラスタのための分散データ管理ライブラリの研究開発と,その動的タスク管理機構との融合を目指した研究である.本研究は,(1)メニコア環境に対応した大規模動的負荷分散機構の研究を進めると同時に,(2) メニコア環境に対応した高並列データアクセスが可能な分散集合ライブラリの整備をおこない,かつ(3) プログラミングモデルの改良によりデータおよびタスクの連想関係を統合的に管理できるようにすることで,分散データ管理部と動的負荷分散機構などとの融合を目指す.
2年目の2021年度は,当初計画通り (2) メニーコア対応分散集合ライブラリを拡充させることで,そのアプリケーション領域を拡充しつつ,(3) 動的負荷分散機能との融合を進めた.加えて,(1) 新たに開拓したアプリケーション領域を対象に,動的負荷分散の有効性及びライブラリの性能評価を進めた.(2) についてはジャーナル論文への投稿をおこない(現在審査中),(3) については査読付き国際会議に投稿し採録されている(発表は 2022年4月に実施済み).
(1), (2) については,分子動力学および人工市場シミュレーションなどへの対応のため,2次元配列,1次元配列に対する多重ループ処理,連想配列に対するライブラリ拡充をおこなった.ライブラリおよびベンチマークは Github にてソフトウェア公開している.
(3) については,初年度から進めていた動的負荷分散機能のフラット型データ構造 DistChunkedList への導入を進め,オーナーコンピューティングタイプの計算である K-means および人工市場シミュレーションへの応用が可能となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,分散集合ライブラリの2次元配列や多重ループへの対応が進み,アプリケーション領域の拡大できた.加えて,フラット型データ構造への動的負荷分散機能の融合も進み,オーナーコンピューティングタイプの計算への動的負荷分散が可能となった.加えて,これらの研究成果も,すでに国際会議への発表およびジャーナル論文への投稿段階に到達することができた.
また,本研究に博士後期課程学生として参加してくれている Patrick Finnerty 氏が,神戸大学大学院システム情報学研究科助教に採用され,継続して本プロジェクトに共同研究者として参加することになった.

今後の研究の推進方策

2021年度まで利用してきた Oakforest-PACS が 2022年3月に退役したため,現在,理研のスーパーコンピュータ富岳にて開発・評価をすすめる準備を進めている.
研究については,分散集合ライブラリのメニ―コア実装技術のいくつかが未発表のため,その発表準備をすすめる.
また,現時点で対応できていないオーナーコンピューティングタイプではない分散プログラムへの動的負荷分散機能導入にむけたプログラミングモデルデザインおよび動的負荷分散時のタスクとデータ構造連携関係などについて研究を進めつつ,木構造データなどへの対応方法について検討を進める.

次年度使用額が生じた理由

当初予算では,物品費として研究開発用PCを購入する予定であったが,東大情報基盤センター提供の Oakforest-PACS を用いた研究開発が順調であったため,購入を見送った.
また,出張旅費については,コロナ禍のため学会開催はほぼ全面的にオンライン開催に変更になったため,海外出張費だけでなく国内出張費も不要となった.
当該費用については,来年度に予定される論文出版費用および計算機使用料に割り振ることで,研究の促進・成果反映のため利用する予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] Topic allocation method on edge servers for latency‐sensitive notification service2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Tomoya、Kamada Tomio、Ohta Chikara
    • 雑誌名

      International Journal of Network Management

      巻: 31 ページ: -

    • DOI

      10.1002/nem.2173

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Integrating a global load balancer to an APGAS distributed collections library2022

    • 著者名/発表者名
      Patrick Finnerty, Tomio Kamada, and Chikara Ohta
    • 学会等名
      Proceedings of the Thirteenth International Workshop on Programming Models and Applications for Multicores and Manycores (PMAM '22)
    • 国際学会
  • [学会発表] Experience in testing MPI+Java parallel and distributed programs with JUnit2021

    • 著者名/発表者名
      Patrick Finnerty, Yoshiki Kawanishi, Tomio Kamada, Chikara Ohta
    • 学会等名
      Summer United Workshops on Parallel, Distributed and Cooperative Processing (SWoPP2021), 2021
  • [備考] Handist Collections (分散集合ライブラリ)

    • URL

      https://github.com/handist/collections

  • [備考] MPI Junit (MPI プログラムのテスト環境)

    • URL

      https://github.com/handist/mpi-junit

  • [備考] PlhamJ (人工市場シミュレーション基盤)

    • URL

      https://github.com/plham/plhamJ

  • [備考] Handist Collections Benchmarks (ベンチマーク)

    • URL

      https://github.com/handist/collections-benchmarks

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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