研究課題
本研究で開発するソルバ(計算機プログラム)の対象問題である無制約二値変数二次最適化問題(QUBO)は,その形式的定義が簡潔であるにもかかわらず,多くの重要な組み合わせ最適化問題を簡潔に帰着できる高い表現力を持つ.しかし,QUBOはNP困難であるため,多項式時間で厳密解が得られることは一般には期待できず,量子型・非量子型のハードウェア・アクセラレータにより近似解を現実的な時間で求める研究が最近盛んに行われている.本研究では,QUBOを制約無し二目的連続最適化問題(BUCO)に帰着して解く新しい解法を提案する.さらに提案する解法を価格性能比のよい並列計算プラットフォームであるGPUを用いたGPUプログラムとして実装し,QUBOの高速求解を目指す.本研究によりQUBOが高速に解けるようになれば,多くの組み合わせ最適化問題が高速に解けるようになり,様々な実応用問題が高速に解けるようになる.本研究では群知能を活用した多点探索アルゴリズムである粒子群最適化手法を用いて二目的最適化問題を解く.研究代表者らはこれまでに様々な手法で最適化問題を解くGPUプログラムを多数開発してきており,特に2018年にはGPU1基を用いた粒子群最適化によりBUCOをCPUより最大182倍高速に解くGPUプログラムを開発した.令和5年度は,QUBO求解に用いる粒子群最適化手法の改善に関する研究を行った.特に,粒子群最適化手法に既存手法MOEA/Dの分解というアイデアを取り込んで提案手法を改善する研究を行った.
3: やや遅れている
令和5年度は,令和4年度までに開発・改良したGPU1基を用いるQUBOソルバを複数のGPUを用いるように拡張してさらに高速化し,その性能評価と改善を行う予定であったが,複数GPUへの対応がまだ未完成であるため.
令和6年度は,令和5年度までに開発・改良したGPU1基を用いるQUBOソルバを複数のGPUを用いるように拡張してさらに高速化し,その性能評価と改善を行う.
新型コロナウイルスの世界的な流行により,国際会議等の出張旅費がかからなかったため,次年度使用額が生じた.これは研究成果を国際会議等で発表するための旅費として使用予定である.
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
proc. of the International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPC Asia 2024)
巻: なし ページ: 134-144
10.1145/3635035.3635051
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
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第22回情報科学技術フォーラム(FIT)講演論文集
巻: 第1分冊 ページ: 195-200
第19回情報科学ワークショップ 予稿集
巻: なし ページ: 1-10