研究課題
令和5年度(研究期間全体を通じて実施した研究を含む)に関する主な成果は、下記の通りである。(1)ダブル・ネガティブ音響メタマテリアルを構成要素とする複合材料における、弾性波の透過特性に関する研究を行った。具体的にはFibonacci系、 Silver-mean系、Thue-Morse系、Rudin-Shapiro系、およびPeriod-Doubling系という異なる構造を有する多層膜の透過率における振動数依存性について、数値的に明らかにした。また、ランダム・メタマテリアル多層膜に関する研究を行い、弾性波の局在長に関する性質について調べた。その結果、ある特定の振動数領域において、局在長が非常に大きくなる現象を見出した。この結果から、新たな原理に基づく弾性波フィルタとしての応用が期待される。(2) ランダム・メタマテリアル複合材料に適した数値解析手法の開発を行った。一般にメタマテリアルにおいては、その物性値の周波数(振動数)依存性が複雑な振る舞いを示す。この様な性質を有する系における大規模固有モード解析手法として、self-consistent FDFD法の適用を行い、その有効性を示した。また、メタマテリアル多層膜に関する設計問題(逆問題)に適した方法として、restart tempering methodという独自の計算手法に関する開発を行った。この計算手法は大規模並列計算に適したアルゴリズムであり、既存の方法と比較して最適化問題により特化した効率の良い探索が可能となる事が考えられる。(3) 一連の問題と関連して、カイラル・メタマテリアル複合材料に関する研究を行った。特に、有限差分周波数領域法の適用に関して、その有効性を実証した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Philosophical Magazine
巻: 103 ページ: 2013~2028
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