研究課題
基盤研究(C)
本研究は,一時的に起こる不整脈(早期後脱分極:EAD)の発生メカニズムを数理的に解明するための手法を開発した.EADは心電図におけるQT延長や心室細動,更には心機能停止につながる非常に危険な不整脈である.新たに開発した手法により,一時的なEADの発生に係わるイオン電流やイオン濃度の種類が明らかとなり,イオンチャンネル開閉性能を制御する創薬につながり,結果として心臓突然死のリスクを減らすことができると考える.
数理工学
従来の数理モデルを用いた解析では,持続的に表れる現象のみが解析対象であった.本研究では,一時的に表れる現象を数理的に解析する手法を提案した.それを心臓数理モデルに適用し,一時的に発生する不整脈の解析に応用した.結果として,持続的に表れる前の,一時的に表れる不整脈が発生するメカニズムを数理的に解明した.それらのことにより,突然死に繋がる不整脈が起こる原因の一端が解明され,突然死のリスクを減らすことにつながる.