研究課題/領域番号 |
20K11870
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
栗原 徹 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50401245)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 光学フィルタ / セマンティックセグメンテーション / ハイパースペクトル / 深層学習 / end-to-end学習 / スマート農業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、広く普及している安価なRGBカメラを用いたセマンティックセグメンテーション精度向上のための光学フィルタ設計法の確立である。通常、RGBカメラは可視光をイメージセンサ直前に置いたRGBカラーフィルタによって適当に重み付けを行い、3バンド画像として世界の光量を記録している。本研究では、元の光信号が連続スペクトルであることに立ち返り、RGBカラーフィルタによる3バンド重みづけ撮像を行う前に、目的のための最適波長を選択する枠組みを構築する。そのため深層学習により、(1)RGBカラー画像のセグメンテーションニューラルネットワーク、(2)RGBカラーフィルタ前に配置する光学フィルタの分光透過率、の2つを同時にend-to-endで学習することで、連続スペクトル情報を有効に利用し、かつ設計された光学フィルタに対し最適なセグメンテーションニューラルネットワークを同時に実現するセグメンテーションの仕組みを実現する。
本年度は、前年度に見つかった光学フィルタの入射角依存性に対応し、積層薄膜フィルタの分光透過特性・分光反射特性を計算するTMM-fastのライブラリを利用しながら、正面入射と斜め入射の両方で所望の分光透過特性に近い特性が得られるよう膜厚リストを求める手法を提案した。これにより特に斜め入射では所望の分光透過特性の平均絶対誤差(MAE)を50%減らすことができ、認識ニューラルネットワークの性能がmIoUで0.3%程度向上することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに、多層膜フィルタの膜厚を指定することで入射角依存性に対応する方法を開発した.一方で、前回発注した光学フィルタ製作メーカーは膜厚の指定に対応しておらず,実際のフィルタでの性能確認には至っていない. 現在は,膜厚を指定できる発注先を探している状況である.
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今後の研究の推進方策 |
膜厚指定できる光学フィルタ製作メーカーに発注し,実際の光学フィルタで性能の向上を確認する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
膜厚指定し光学フィルタを製造できるメーカーが見つからなかったため次年度使用が生じた。 複数の光学フィルタメーカーにコンタクトし、設計値での光学フィルタを試作する。
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