研究課題/領域番号 |
20K11876
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
平山 亮 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (70329374)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 音声生成 / 調音器官模型 / 調音運動計測 / 発話ロボット |
研究実績の概要 |
本研究は、発話調音運動計測とその解析にもとづき、調音器官の模型製作、さらに音声発話ロボットの開発へと挑戦していくものである。 令和2年度に引き続き令和3年度は、コロナ禍による様々な制限により、研究活動に支障が出て、当初計画で本研究の主体である他機関での被験者を使った調音運動計測、特に、ヒトを被験者として外部機関で実行する予定であった発話調音運動計測実験については、コロナ対策が十分にはできないことから、実施しなかった。 研究室に設置されている機材や工具を使った模型製作については、実施することができなかった。 研究室に入室し活動できる期間を利用し、舌骨の3Dモデルの設計と3Dプリンターによる舌骨模型の製作を行った。これは、調音器官形状模型、発話運動模型、発話ロボットの部品となるものである。舌骨模型の作成についての手法と完成した舌骨模型について、研究会発表を行い、研究者との議論を行った。 在宅勤務の期間中には、研究調査活動を中心に研究を進め、特に、言語特別展に出展するパネルの内容検討、オンラインでの打ち合わせを行って、展示案をすすめた。発話意図から発声器官、顎・舌・唇などの調音器官の運動計画がなされ、それらの筋への指令によって調音器官運動が最終的に発話音声として音響信号となって伝搬されていく様子を、MRI画像などを提示しながら説明するパネルとした。また音声言語と手話言語との比較説明をどちらも器官筋運動であることについて原稿をまとめた。音声言語と比較して手話言語の特徴を表すコンテンツ作成をい、国際会議で発表した。高精度MRI装置を用いての発話調音器官計測の内容検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2~3年度は、コロナ禍による緊急事態宣言の発出、蔓延防止等重点措置の発出、一定期間のキャンパス閉鎖、不急の移動自粛と出張制限、オンラインを主体とする在宅勤務などにより、研究活動が大きく制限された。当初計画し、本研究の主体である他機関での被験者を使った調音運動計測、研究室に設置されている機材や工具を使った模型製作については、実施することができず、また令和2年度に準備し、令和3年度に予定されていた言語特別展への調音器官模型の出展についても、特別展自体がコロナ禍の影響で1年延期になったため具体的な準備作業はすすめられなかった。また当初発表を想定していた国内学会、国際学会についても、オンライン発表以外は、開催中止、渡航制限などにより、投稿を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、コロナ禍が終息せず制限はあるものの、研究室の入室や移動も緩和され、研究が進められる状態となってきている。ヒトの被験者を使う発話実験計測については、発話中の飛沫飛散が避けられないため見合わせるものとし、一部MRI装置を使った測定を被験者を限定して実施する程度にし、発話計測実験の計画を縮小させる。発話模型製作を研究の中心として優先的に進めていく。延期された言語特別展が令和4年度には開催される運びとなったため、音声生成に関する展示準備を進める。学会への成果発表については移動制限や渡航制限がある場合、オンラインで実施される学会に発表することにより成果を発信していくが、移動・渡航ができる場合には、国内研究会や国際会議での発表も視野に入れ、成果発表を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2~3年度は、コロナ禍による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置を受け、研究活動への支障があり、当初計画通りの使用ができなかった。外部機関での被験者を使った調音運動計測ができないこと、在宅勤務により研究室での模型制作が当初予定通りには進められなかったこと、研究成果を出品予定であった言語特別展が延期になったこと、学会・国際会議が中止またはオンライン開催となったため旅費が使用されなかったことにより予算の使用ができなかった。令和4年度には、被験者を使った調音運動計測については計画変更し、模型制作を中心にして、模型材料、工作器具、記録機器などの物品費を前年度からの繰り越し分で購入するとともに、国際会議等も開催されるような状況になれば成果発表の投稿費・旅費として使用予定である。
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