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2023 年度 実施状況報告書

咽喉部機能維持のための発話訓練法-音声認識・深層学習を用いた評価訓練プログラム-

研究課題

研究課題/領域番号 20K11894
研究機関静岡県立大学

研究代表者

松浦 博  静岡県立大学, 経営情報学部, 客員教授 (60451085)

研究分担者 和田 淳一郎  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20611536)
井本 智明  静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (20749296)
秀島 雅之  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (50218723)
六井 淳  静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (70362910)
湯瀬 裕昭  静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (30240162)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード発話評価 / 咽喉 / 高齢化 / 音声認識 / 音声セグメントラベル / 基本周波数 / オーラル・ディアドコキネシス / 発話訓練
研究実績の概要

加齢等による咽喉の衰えを発話評価によって早期に検知し、自身の状態を自覚させ適切な対応がなされれば健康維持につながると考えられる。本研究では基本周波数F0や独自開発の音声セグメントラベルから導出したF0変化幅,妥当ラベル,ラベル安定性,F0分散,音声区間長,無音区間長,かすれラベル,濁音ラベルを発話評価パラメータとして用いた。
高齢者(平均年齢81歳)について1年弱の期間を開けて、ATR音素バランス2文とオーラルディアドコキネシス(OD)としてpa,ta,kaと連続発話を3回(それぞれkaga1,kaga2,kaga3とした)延べ155名分収集した。kaga1~3の比較による経時的変化の傾向から、声のかすれの進行が見られたものの、妥当ラベルと音声区間長の改善がみられ、より明瞭に早口で発話できるようになったことが示唆された。年齢と各パラメータとの相関係数は被験文「①あらゆる現実をすべて自分の方へ捻じ曲げたのだ」で妥当ラベルとの相関係数が-0.42、被験文「②冬が長くてつらければ,それだけ喜びも大きいのだ」で妥当ラベルとの相関係数が-0.40、平均との相関係数で-0.41と負の相関が高かった。
一方、一般的に口腔の発話検査に使われるODでは年齢とtaの回数との相関係数が-0.33となったが、提案した発話評価パラメータより負の相関は低いことが分かった。したがって、kaga1~3のデータから発話評価パラメータによって発話の悪化等について観測できることが示唆された。
なお、上記の相関係数の導出においてはp<0.001であり、統計的な有意差が確認できた。また、話者1名ではあるが、5年間にわたって発話データを観測することによって、単語発話および発話トレーニングにより発話の改善と維持が可能であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度(2020年度)はコロナのためデータ収集ができなかった。しかし、初回データ収集の2022年2月と3月,2回目の2022年11月、3回目の2023年10月と、加賀市役所の協力をいただき、4か所の地域おたっしゃサークルにて実施することができた。収集データを分析することによって得られた知見をまとめ、2024年3月に開催された情報処理学会第29回高齢社会デザイン研究発表会にて発表した。

今後の研究の推進方策

データ収集に協力いただいたおたっしゃサークルの被験者に全体所見及び個々の発話状態のフィードバックを行うとともに、感想・意見を伺いたい。また、話者1名の発話データではあるが、5年間にわたって観測したデータについて、継続して評価を実施する。また、佐藤慶子氏の「声ぢからトレーニング」による発話の改善効果について発話パラメータの変化によって評価したい。

次年度使用額が生じた理由

従来、データ収集および評価用いてきたパソコンの音声入出力が不具合を生じてきたため、新規に購入を予定している。また、初年度の新型コロナによる計画の後ろ倒しの影響がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 音声セグメントと基本周波数から導出した発話評価パラメータによる発話の経時変化の観察2024

    • 著者名/発表者名
      松浦 博、井本智明、湯瀬裕昭、和田淳一郎、秀島雅之
    • 学会等名
      情報処理学会高齢社会デザイン研究会第29回研究発表会

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公開日: 2024-12-25  

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