研究課題/領域番号 |
20K11897
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研究機関 | 名古屋芸術大学 |
研究代表者 |
長江 和哉 名古屋芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50440665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 録音 / 録音技術 / ピアノ / 音色 / 録音教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①録音を勉強する学生のために「ピアノマイク配置の比較音源」を制作すること。②音楽的に魅力ある音色で収録できるマイク配置を「主観評価実験」により解明することである。本比較音源の収録はベルリンで行うこととなっているが、2020年度はコロナ禍となり2021年5月となっても、コロナの収束を予想できず、現在も渡航の制限がある中で、収録する日程を決め兼ねている状態となっている。ただ、研究は最長3年の間で行う必要があり、現段階では2022年3月から5月のいずれかの日程で行うことができるように計画している。 2020年度末までで以下、比較収録に至るまでの準備を行なった。まず、①については、2015年から共に研究を続けているトースタン・ヴァイゲルト氏 Prof. Thorsten Weigelt(ベルリン芸術大学 教授 音楽録音)とこれまでに、どのような内容で比較収録を行うかの大枠を既に決めている。具体的にはベルリン芸術大学のホールで3種類のピアノを用い32本、16組のステレオペアで収録を行う。演奏と収録は双方の学生や教員が関係しながら実施するように計画している。次に②については、2021年3月に、研究協力者、亀川徹氏(東京芸術大学 教授 音響学・録音技術)、丸井淳史氏(東京芸術大学 准教授 音響心理学)とオンライン・ミーティングを行い、音楽的な音色の違いと物理的なデータの違いの両方が得られるような比較収録の実施方法と手順を検討した。また、収録した音声の音色の違いを聴覚と視覚の両面から比較することができるように音響インテンシティ (音の進行する方向性を考慮した音の大きさ)をカラーで視覚的に表示させるための測定器を検討した。2021年2月に日本音響の「サウンドグラフィ」を試用しながら実験的な収録を行い、様々な知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年3月よりコロナ禍となり、先が見通せない中、予定していたように研究の計画を進めることができなかった。本来は2020年度上半期に比較収録の計画を立て、2020年度下半期に比較収録を実行する予定であったが、前述の理由により先送りとなっている。2022年3月から5月のいずれかの日程で行うことができるように計画している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年9月までに、2022年3月から5月のどの日程で行うかを決定する。演奏楽曲と演奏者については、2021年6月より音楽のテンポや曲想の違い、演奏者の違いで音色の差が出るかを調べることができるように研究協力者 戸田恵氏 (名古屋芸術大学 講師 ピアニスト)とともに検討する。2021年10月より2022年2月までに、収録に関わる全ての事柄について決定し、比較収録を実行できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の核心的な部分は、ピアノの周囲の様々な位置にマイクを配置しそれらが比較できるように収録を行うことであるが、 2020年3月よりコロナ禍となり、予定していたように研究の計画を進めることができなかった。現段階では、比較収録を2021年3月、もしくは2021年5月に計画をしている。そのためにこれらの助成金を用いる。
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