研究課題/領域番号 |
20K11897
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研究機関 | 名古屋芸術大学 |
研究代表者 |
長江 和哉 名古屋芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50440665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 録音 / 録音技術 / ピアノ / 音色 / 録音教育 / 音楽録音 / マイク配置 / 音響放射特性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①録音を勉強する学生のために「ピアノマイク配置の比較音源」を制作すること。②音楽的に魅力ある音色で収録できるマイク配置を「主観評価実験」により解明することである。本比較音源の収録はベルリンで行うこととなっているが、コロナ感染者数が減少傾向となり渡航帰国時の水際対策も緩和されたため、2022年4月に収録を実施することとなり、2022年3月末までに収録計画の目処がたった。 ①について、Prof. Thorsten Weigelt 氏 (ベルリン芸術大学 教授 音楽録音)とオンラインミーディングを行い収録の詳細を決めた。具体的にはベルリン芸術大学のホールで6種類のピアノ(Steinway & Sons D274、Boesendorfer 290、Yamaha CFX等)を用意し、全指向性マイク34本で収録を行う。演奏は、ベルリン芸術大学 大学院の学生2名。異なる時代の楽曲を7曲づづ収録予定である。また、収録は、ベルリン芸術大学の学生とともに実施するように計画した。 ②については研究協力者、亀川徹氏(東京芸術大学 教授 音響学・録音技術)、丸井淳史氏(東京芸術大学 教授 音響心理学)と打ち合わせを行い、音楽的な音色の違いと物理的なデータの違いの両方が得られる比較収録について検討した。グランドピアノは、蓋(屋根)や弦の下の響板が音の放射に大きく影響しているように察しているが、その音響特性を知る手がかりを得るために、演奏のみではなく、ピアノの弦に振動装置を取り付けて測定信号を再生・収録し、物理的なデータを得ることを検討している。また、ピアノの直接音と空間で反射した間接音がどのような音かを説明できるように、収録後にマイクの指向性を可変できるアンビソニックスマイクとヘッドホンで左右のみならず上下も含めた立体的聴取が可能なダミーヘッドマイクも設置して収録を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はベルリン芸術大学とともに行う研究であるが、2020年3月よりコロナ禍となり海外渡航が困難な中で、当初予定していたように研究の計画を進めることができなかった。しかし、2022年2月、世界的にコロナの感染状況が好転してきたので、2022年4月下旬にベルリン芸術大学で収録を行うことを決定した。2022年2月以降、本収録が成功するように諸準備を進めてきたが2022年3月末にその目処がたった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月26日から30日 ベルリン芸術大学ホールにて6種類のピアノを用いた比較収録を5日間の予定で行う。2022年5月から7月 音源を編集し比較再生可能なWebページを構築する。2022年8月から9月 マイクの位置ごとに物理的なデータの特色があるかを検討する。2022年10月から12月 研究協力者である亀川徹氏、丸井淳史氏とともに主観評価実験の計画を練る。2023年1月から3月 主観評価実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本比較音源の収録はベルリンで行うこととなっているがこの2年間海外渡航できず実施できずにいた。しかし、2022年2月にコロナ感染者数が減少傾向となり渡航帰国時の水際対策も緩和されたため、2022年4月に収録を実施することとなった。
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