研究課題
本研究は、画像内に存在する複数の構成要素に対し、複数の構成要素がまとまって一つに見えるという人間の知覚特性(群化知覚)を考慮して画像パターンを認識することで有効的に機能する画像情報検索を実現することである。これまで複数ある群化知覚の主要要因をモデル化し群化パターンを認識する手法を開発し、類似商標検索の性能を高めることを示してきた。本研究では、これまでの成果を更に発展させ、まだモデル化できていない要因を群化領域認識に導入し検索精度を向上させる。そして種々の社会システムに導入し群化領域認識を適用させることで精度を高めることを示す。本研究の範囲は、(1)図形内の構成要素間の「連続性」「平行性」の群化強度を測定する特徴量の開発、(2)種々の画像解析へ(1)を応用するための技術開発、である。今年度、(1)については、顕著な成果を得ることはできなかった。今後、社会システムで必要とされる連続性要因により群化知覚される事例を再調査し有効な手法を再検討する。(2)については、これまでに提案した(1)の一部を導入し胃X線像の粘膜表面のパターン分類に対する前処理を行い胃委縮に対する自動診断支援の精度を向上させた。また、ヒトの顔の存在有無を判別する前処理として(1)の一部を適用させ、Webカメラを用いたVDTテレワーク作業を自動認識するシステムの認識精度を向上させた。研究期間全体を通じて得られた研究成果は、1)連続性要因により群化知覚される図形パターンの認識精度を向上させたこと、2)群化パターンの認識を胃X線像の自動診断支援システムに適用させ診断精度を向上させたこと、3)群化パターンの認識をWebカメラを用いたVDT作業時間計測システムに適用させ作業者の存在有無の認識精度を向上させたこと、4)群化パターンの認識を魚群映像に適用させ魚の異常行動や尾数計測を行うシステムを開発したこと、である。
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