研究課題/領域番号 |
20K11903
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
緒方 大樹 東京工業大学, 情報理工学院, 特任准教授 (80598037)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リズム同期 / 役割分担 / リーダとフォロワ / 同期誤差 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は人間と人工物の間で人間同士のような音楽アンサンブルを達成するため に,リズム同期におい人間をリードするシステムを構築することである. この目的を達成するために,初年度は人間同士の協調的なリズム生成における役割分担の創出について,二者間協調指タッピング課題を用いたリズム協調実験を行った. その結果,まず先行研究同様に音楽のアンサンブルで見られるラッシュのようなテンポの加速が観測された.加えて、二者間のタップの同期誤差が固定化される現象が観察された.つまり,人間同士のリズム協調においては先行と後行とに役割が分化し,さらに,その役割が固定されやすいことが明らかとなった. さらに,モデル解析を行ったところ,先行と後行では位相修正と周期修正の強度が異なることが示された. この結果は,人間をリードしてリズム協調を行うモデルの構築と,人間と人工物の間でリーダとフォロワに分かれる現象を達成する上で重要な結果である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り行動実験を用いて二者間のリズム同期における役割分担を創出するメカニズムについて明らかとしたため,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,実験操作によりさらに積極的にリーダとフォロワに分化させる方法を行動実験により明らかにする.また,その内部メカニズムをモデル化するとともに,人間とモデルの間の協調リズム生成実験によりその妥当性を検証する.このモデルをもとにアンサンブルシステムを構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において,学会がオンラインでの開催になり,国内国外への旅費の使用がなくなった.また,大々的に参加者を募集することができなかった. 次年度は,コロナの状況を見ながら,当初計画よりも積極的に国内外での学会活動に参加し,本研究の成果を広く周知させる. 加えて,より多くの参加者を募って行動実験を行う計画である.
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