研究実績の概要 |
音声想起 (speech imagery) 多電極脳波(EEG) 情報に対して,以下の研究開発を行った. (1) 単音節・単語(数字)・文(筋委縮性側索硬化症(LSA)患者のための10文)などを3名~5名収集した.また日本語アクセント(高低)を変えた単語についても想起データを収集した. (2) 音声想起信号を対象に,言語情報のエンコーディング過程とデコーディング過程から成る線形予測分析(Linear Predictive Analysis)を導入し,言語表象としての線スペクトラムを抽出した. (3) 21電極の線スペクトラム系列に対して,pooling 処理により音節ラベリングのためのデータを作成すると共に,目視ラベリングにより57短音節データを抽出してデータベース化した. (4) 目視ラベリングから得た短音節(CV; C=子音,V=母音)データ区間に対して,主成分分節(PCA)と部分空間法(SM)を繰り返し適用することにより,母音言語表象のための固有空間φ(v, m), v=a, e, i, o, u, m=1, 2, .., 8 を抽出するアルゴリズムを開発した. (5) 母音固有空間を用いてCV区間から母音線スペクトラムを抽出し,4名の被検者データからCNN (Convo- lutional Neural-network)を学習することにより,未知の1名の母音を識別する実験を行い,72.6% の認識率を達成した.また,母音言語表象抽出と母音認識の結果をNature Publishing Group (NPG) の Frontiers誌へ投稿した.
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