研究課題/領域番号 |
20K11921
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
寺田 裕樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40360002)
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研究分担者 |
陳 国躍 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20282014)
猿田 和樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (80282193)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 複合現実 / リハビリテーション / ヘッドマウントディスプレイ / リハビリテーションマウス |
研究実績の概要 |
本研究では複合現実(Mixed Reality; MR)を用いて上肢の機能改善のための新たなリハビリテーションアプリケーションを構築した。このアプリケーションは、秋田大学医学部と共同研究を締結しており、県内の様々な企業も参画している研究会を基に開発した。従来、複合現実を利用するためにシースルータイプの市販のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いてアプリケーションを開発していたが、HMDの視野が狭く実用的に問題であった。そこで、視野角の広い新たなHMDに適用させた。本アプリケーションは秋田大学医学部の島田教授が開発中の脳梗塞疾患等のリハビリテーションのためのリハビスマウスシステムを開発しており、そのシステムと併用することで、より直感的な新しいアプリケーションとなっている。複合現実の技術を用いて、リハビリマウスを動かす目的先を現実世界に重畳させたり、リハビリマウスの動作軌跡を描いたり、アプリケーションとしての機能は十分に構築できた。この成果は国内学会にて1件発表できた。 また、本研究で開発したアプリケーションを患者に適用するため、健常者を対象として、アプリケーションを用いた際の酔いの評価およびユーザビリティの評価を実施した。その結果、複合現実は映像酔いもほとんどなく、リハビリテーションアプリケーションのメニューも豊富で、従来のリハビリテーションと比べて、高い興味およびリハビリテーションとしての高いユーザビリティを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初は初年度では複合現実を利用したリハビリテーションアプリケーションの大枠のみを開発して、健常者のみを対象として実施予定だった。しかし、新たなHMDに対応したアプリケーションの開発が進み、ほぼ従来のリハビリテーションシステムと同様なメニューまで構築することができている。そのため、すでに患者を対象として、リハビリテーションを実施している。しかし、本来購入予定であった脳波計が新型コロナ感染症の拡大により、購入できていないため、脳波計を用いて、リハビリテーションの効果を検討するまでに至っていないので、アプリケーションの進んでいる分と脳波計が未購入で遅れている分もあるが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
従来のリハビリテーションと本研究で開発したリハビリテーションシステムで、どのような効果があるのかを、患者を対象として検査する。また、効果を明らかにするために、脳波を利用して、ディープラーニングによりその効果を視覚化できるようにする予定である。 新型コロナ感染症の拡大により、国際会議等への発表は現地では厳しいので、全てリモートで参加・公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、大きな物品である脳波計を購入できなかったため、本年度に購入予定である。購入した脳波計を活用して、今年度に予定していたリハビリテーション効果をディープラーニングによって解析する手法を検討する。
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