研究課題/領域番号 |
20K11928
|
研究機関 | 弓削商船高等専門学校 |
研究代表者 |
長井 弘志 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 准教授 (70453206)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 触覚提示 / マルチモーダル / タッチパネル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「すべすべ-ざらざら」や「硬い-柔らかい」などの多様な感触を提示する多感触触覚提示ディスプレイを開発し,その有効性を評価することである.さらに,開発した多感触触覚提示ディスプレイを液晶ディスプレイおよびタッチパネル(タッチスクリーン)と組み合わせ,ソフトウェア上でボタンの位置・形状などを自由に設定できると同時に,ハードウェア上でボタンの位置・形状・感触を物理的に提示する多感触触覚提示ディスプレイ併用型タッチパネルディスプレイを開発し,その有効性を評価することである. 本研究では,装置の即応性・感触の表現力の高さと使用者の認識率・安全性の高さを考え,空気の噴射により触覚・圧覚に触覚提示する方法とする.具体的には,透明な触覚提示ディスプレイを開発するために,厚さ0.4 [mm] の透明アクリル板を使用し,縦20 [mm],横20 [mm],高さ2 [mm] の箱型の上面に直径0.1 [mm] の孔を複数あけた空気噴射型触覚提示ディスプレイの試作品を開発している.さらに,本研究では,小型エアコンプレッサからの空気の噴射間隔や噴射流量を周期30 [Hz] ~60 [Hz] のPWM変調で制御できる電磁バルブコントローラ搭載し,空気の多様な噴射により多様な触覚提示を行える空気噴射型触覚提示ディスプレイの評価システムを開発している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では,透明な空気噴射型触覚提示ディスプレイの評価を行う予定であった.しかし,昨年度開始時点での遅れの他,所属機関の新型コロナウイルスへの対応などで,十分な被験者を用意できずに,開発した多感触触覚提示ディスプレイの評価が行えなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画から約1年ほど遅らせて,研究を推進する.具体的には,今年度から開発した多感触触覚提示ディスプレイについて,幅広い世代で,「すべすべ-ざらざら」や「硬い-柔らかい」などのボタンの感触に関する項目を中心に,多様な感触についての評価をSD法で行う. また,必要に応じて立ち返り,空気噴射型多感触触覚提示ディスプレイの孔径および噴射間隔や噴射流量を調整するなど,システムの再開発を行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画から約1年ほど研究が遅れているため,消耗品および旅費の購入は保留にしていた.今年度は,前年度に未購入であった消耗品と購入予定の消耗品を購入する予定である.
|