研究課題
今年度は昨年に引き続き、半教師あり機械学習の枠組みにカルテデータの病変情報を融合し、病変領域教師ラベルのない医用画像上の教師ラベルを高精度に自動推定する手法に関する検討を多角的に行った。具体的には、強教師データ(pixel-by-pixelの病変領域教師データ)を十分収集できない条件での胸部CT像上複数種肺結節の自動検出システム開発に用いる結節領域教師データの自動推定法として、病変位置座標と病変長径の情報、少量強教師データで事前学習したU-Netを用いた病変領域推定法を検討した。肺結節は充実性(Solid)、すりガラス状(GGO)、その混合(Mixed-GGO)の3種類が存在する。これらは画像上の特性・CT値の範囲が異なるため、それぞれ別モデルを用いることで領域推定精度の向上を図れる。しかし教教師データ量が不十分な条件では、別々のモデル学習は難しい。よって複数種の病変領域を一定精度で推定する方法として、複数のCT値表示条件(ウインドウ条件)画像を多チャンネル入力するU-Netによる領域推定を試みた。実験の結果から、この提案法はこれまで問題であった領域過大評価を抑制させる効果があることが分かった。また、正常データのみを教師無し学習することで得られる画素異常検知処理を用いた病変画素の強調・検出についても多角的に検討を行った。①各画素を特徴量ベースで異常検知を行った結果から病変領域を得る方法と、画像生成ネットワークを用いた画像上の局所的異常の強調・検出処理を検討した。どちらの方法も、全身FDG-PET/CT像上の原発性がん・転移性がんの検出、領域抽出において有用であるという検証結果が得られた。
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Physics in Medicine & Biology
巻: 67 ページ: 195013~195013
10.1088/1361-6560/ac9173