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2021 年度 実施状況報告書

深層学習に基づく「心エコー動画からの心機能解析システム」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K11953
研究機関和歌山大学

研究代表者

呉 海元  和歌山大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (70283695)

研究分担者 穂積 健之  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30343411) [辞退]
吉野 孝  和歌山大学, システム工学部, 教授 (90274860)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード心エコー動画 / 深層学習 / 左室壁の6分画化 / 左室内腔抽出 / 医工連携
研究実績の概要

心エコー動画からの心機能解析・評価支援システムを構築するために,実時間で動作できる,深層学習アルゴリズム(YOLACT、U-Net、アテンションU-net)に基づいた二腔断面の心エコー動画から左室壁の6分画化と左室内腔に関して、別々とセットで抽出方法をそれぞれ提案している.電子メールを活用しながら,心エコー専門医(穂積医師)の指導の下で9人分,2倍以上になり、トレーニングと検証のデータ量が228枚から507枚に増えた。まず、YOLACTに基づいた方法の損失関数の振動問題を解決した。精度を向上させるために、医用画像認識によく使われているU-Netモデルに置き換え、中の損失関数は本研究の目的(多クラス分類)に合致する交差エントロピー損失関数で導入した。最後に、安定性の問題を解決するために、注目画素の周辺の連続性を考慮し、U-Netネットワークスのskip-connectionの前にAttention Gate(AG)を追加して、画像平面内の連続性を強化した。再実験を行った結果は精度と安定性の両面で向上していることを確認できた。
その上、精度を上げるために、左室壁 6 分画(6クラス)と左室内腔(1クラス)の追跡結果はお互いの予測補完できると考え、両者を1つのデータセットにマージした。次に、心エコー画像内の背景、左室壁 6 分画、左室内腔の領域サイズの不均衡な問題に対して、元の交差エントロピー損失関数の各クラス別に対する重みを追加した。その後、トレーニングを実施した結果、テスト動画の安定性は前回にさらに比べて向上した。今までの研究結果に基づいて、8月開催するICMA2022国際会議に投稿し、口頭発表として採択されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究分担者の穂積医師が収集した心エコーの動画に対して,国際基準(2015)に基づいて,心尖部3断面のひとつである二腔断面における左室壁の6分画化,および左室内腔領域に自動的に分割するアルゴリズムを研究開発している.9人分の心エコー動画から10心周期のフレーム,合計507枚の画像のアノテーションを行い,データセットとして使用している.深層学習アルゴリズム(YOLACT、U-Net、アテンションU-net)に基づいて,9人分の心エコー動画(507枚)のうち,408枚をトレーニングセットとし,46枚を検証(Validation)セットとしたモデル訓練を行った.残りの1人分の心エコー動画(53枚)は未学習データとして,テストを行った.
今年度新しく提案する方法で構築されたAttention U-Net(8+λc)を用いて,左室壁の6分画と心室と背景をセットとした認識結果は,mIoUが76.48%, mPrecisionが84.13%, mRecallが88.46%, ACCが99.04%に達成できている。提案モデルを用いて, ICMA2022国際会議に投稿した論文に他のモデルとの比較結果もまとめ,提案手法は従来の手法と比べ,左室内腔領域の抽出と,左室壁の6分画化の抽出が前年度よりさらに有効かつ安定にできることを確認できた。
しかし,学習データセット数がまだ少ないと、時間軸上の関連性をまだうまく利用していない課題が残っている。

今後の研究の推進方策

3年目も,人員を増やして,二腔断面(Two chamber)の学習データをさらに追加しながら,各領域自動分割における深層学習モデルの改良とパラメータの最適化を検討し続ける。特に動画像をそのまま学習できる最新の深層学習を導入する予定である.また,心周期におけるフレーム間の変化量も検出・推定・可視化できる方法を導入する.
その上,四腔断面 (Four chamber) ,長軸断面(Long axis)の学習データセットを構築開始し,各領域自動分割における深層学習モデルを研究開発する.
さらに,領域分割と追跡結果に基づいて,1(正常)から3(無収縮)までのスコア(1から3までの連続値)を採点できる心機能の自動評価アルゴリズムを研究開発し,ビデオレートで動作できる判読支援システムを構築する.

次年度使用額が生じた理由

コロナの関係で研究に参加する学生たちが学内での研究時間を短縮され、外部発表も全部Onlineになったので、予定されたデータアノテーションの研究協力費用や、外部発表の旅費を実行できなくなった。特に、認識モデルを学習するために、必要な高性能のグラフィックカードなどを入手困難になったから。

動画像も学習できる深層学習モデルを訓練するために、高性能のグラフィックカードが有するコンピュータを購入する。また、研究成果を発表するために、国際会議の参加費用と、ジャーナルに採択された論文の掲載料として使用予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Digital twin for the transient temperature prediction during coaxial one-side resistance spot welding of Al5052/CFRP2022

    • 著者名/発表者名
      Sendong Ren, Yunwu Ma, Ninshu Ma, Qian Chen, Haiyuan Wu
    • 雑誌名

      Journal of Manufacturing Science and Engineering

      巻: 144 ページ: 1-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Semantic Segmentation of Atherosclerosis in Superficial Layer of IVOCT Images Using Deep Learning2021

    • 著者名/発表者名
      Xinbo Ren, Haiyuan Wu, Toshiyuki Imai, Yuxia Zhao, Takashi Kubo
    • 学会等名
      IEEE/WIC/ACM International Conference on Web Intelligence
    • 国際学会
  • [学会発表] A Super Baseline for Pedestrian Re-Identification2021

    • 著者名/発表者名
      Jiwei Zhang, Haiyuan Wu
    • 学会等名
      2021 IEEE International Conference on Mechatronics and Automation (ICMA)
    • 国際学会
  • [学会発表] A Feature Fusion Model For Person Identification Using Top-view Image2021

    • 著者名/発表者名
      Jiwei Zhang, Haiyuan Wu
    • 学会等名
      2021 IEEE International Conference on Mechatronics and Automation (ICMA)
    • 国際学会
  • [学会発表] 拡張現実を用いたリモートワーカーとオフィス在席者とのコミュニケーション支援システムの提案2021

    • 著者名/発表者名
      酒井航太, 吉野孝, 呉海元
    • 学会等名
      2021 年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
  • [備考] 和歌山大学呉ホームページ:

    • URL

      http://web.wakayama-u.ac.jp/~wuhy/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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