研究課題/領域番号 |
20K11971
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
畠中 利治 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (10252884)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 進化計算 / ブラウン運動 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,進化計算や群知能に代表される確率的多点探索法の理論的バックグランドを強化することを目的としている.そのため,これらのアルゴリズムによる探索過程をモデル化することを試みている.2020年度はその課題に着手するため,まず,単純な設定のもとでの多数の粒子群の挙動の調査を計画した.手始めとして,ポテンシャル場(最適化問題における目的関数)におけるブラウン運動の挙動を数値実験によって調査した.具体的には,2つの底のあるポテンシャル場,言葉を変えると2つの局所解をもつ目的関数という環境下で,ブラウン運動をする粒子が一方の局所解近傍から移動を開始して,他方の局所解近傍へ移動するための移動に成功するまでのステップ数(移動回数)を場の形状を変えつつ数値シミュレーションによって調べた.その数値計算結果との考察は,第52回確率システムシンポジウムで発表した. また,群知能モデルにおいて,モデルごとの性質を活かしたハイブリッド化を検討してきた.粒子群最適化(Particle Swarm Algorithm)とホタルのアルゴリズム(Firefly algorithm)を取り上げ,イベント駆動型で探索点がモデルを切り替えるハイブリッド法を提案した.高次元の多峰性関数の最適化問題のベンチマーク問題を用いて,提案法が従来法より良好な探索性能を示すことを確認した.本成果は探索モデルの性質を活用した既存モデルの改良である.なお,この成果は,International Journal of Swarm Intelligence Research 誌に投稿している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年4月に研究代表者(畠中)が異動したため,研究環境の再構築が必要であった. また,COVID19の影響により,在宅勤務を余儀なくされ,研究室における環境構築が進んでいないほか,学会での議論,研究打合せが進まず研究の遂行に支障があった.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,研究室において数値実験ができる環境が整いつつあるので,当初の計画に従って,進化計算・群知能の実装をすすめ,研究の目的である粒子群(探索点)の挙動データを収集する. オンラインミーティングを活用した打合せや情報収集を行い,研究を進展させてることを予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,英国開催の国際会議参加を予定していたが,オンライン開催かつ参加費が無料となったため,海外旅費および国際会議参加費の支出が不要となった. 6回程度の国内研究会への参加を計画していたがこれらも,中止またはオンライン開催となったため国内旅費の支出がなかった.
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