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2020 年度 実施状況報告書

時間経過に伴い変化する動的システムのための進化計算手法の開発と応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K11972
研究機関広島大学

研究代表者

林田 智弘  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20432685)

研究分担者 広谷 大助  県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (30432686)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード動的システム / 進化計算 / 長期メモリ
研究実績の概要

2020年度は,本研究課題の目的としてあげていた,(i) GA(Genetic Algorithms) (遺伝的アルゴリズム)およびPSO(Particle Swarm Optimization) (粒子群最適化手法)を基礎とする並列分散最適化手法の開発,(ii) 動的システムのための長期メモリを用いた最適化手法の開発に着手した.また,問題①「動的生産計画問題」の調査・定式化を実現し,プログラム開発による数値実験を実施した.
目的(i)においては,島モデルGA (IGA: Island GA) を基礎とする並列分散型の進化計算手法を開発しており,具体的には,遺伝的操作の対象となる個体群を独立して解探索を行う複数の部分個体群に分割した場合の解探索手法を開発した.また,目的(ii)では周期的に変化する環境状態を記録する長期メモリを開発した.目的(i)で開発した各部分個体群に,目的(ii)で開発した長期メモリを導入することにより,周期的に環境特性が変化するような動的環境に対応することができ,動的環境における解探索の効率向上を達成した.問題①として,さまざまな規模の動的生産計画問題を一般的に記述可能な形で定式化した.
本研究で開発したシステムをプログラム実装することで,問題①で定式化された動的生産計画問題(動的スケジューリング問題)に適用した数値実験を実施し,これにより提案手法の有用性を確認した.
これらの研究成果は,2021年3月に開催された日本オペレーションズ・リサーチ学会2021年春季研究発表会において,研究分担者が発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度の研究計画として挙げていた,研究目的(i) GA(遺伝的アルゴリズム)およびPSO(粒子群最適化手法)を基礎とする並列分散最適化手法の開発,(ii) 動的システムのための長期メモリを用いた最適化手法の開発,問題①「動的生産計画問題」の調査・定式化,プログラムの開発に加えて,数値実験による有用性の検証まで完了している.一方で,現実的な動的環境に関する定式化として2020年度に予定していた,問題②「人流予測に基づく空調最適化問題」の調査・定式化については,COVID-19の影響により2020年度には着手できていない.このため,「(2)おおむね順調に進展している。」と言える.

今後の研究の推進方策

2021年度は,研究計画に沿って進化計算手法における「長期メモリ」の有効性の検証のための数値実験を引き続き実施し,実験結果の分析を進める.また,現実の動的環境の例として,問題②「人流予測に基づく空調最適化問題」,問題③ 「小売店の仕入れ量最適化問題」,問題④ 「時間割決定問題」などの調査および定式化を進め,それぞれの動的環境に対応した最適な長期メモリの設計について検討する.
また,研究計画(iii) GPを基礎とする動的システムに対する最適化ルール抽出手法の開発に着手する予定である.
上記の研究が順調に進めば,2022年度に計画されていた検証実験(2)にも取り掛かりたい.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大影響により,研究打ち合わせはオンラインで実施することとなり,旅費等で使用予定であった経費をこのための機器購入や管理のために使用した.一方で,国内外の研究会およびワークショップへの参加が難しい状況であり,旅費等を使用しなかった.これらの費用は本年度に繰り越して使用する.使用用途としては複数の国内・国際学会参加費及び参加可能な場合には国内学会の旅費として使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 周期性を持つ需要を伴う動的スケジューリング問題に対する長期メモリを用いた進化計算手法2021

    • 著者名/発表者名
      広谷 大助, 前田 伊吹, 林田 智弘, 西崎 一郎, 関崎 真也
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会・2021年春季研究発表会

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公開日: 2021-12-27  

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