サハラ砂漠で生息するCataglyphisという蟻は,連続した細かい移動の軌跡を足していく経路積算によって位置推定していると考えられている.しかし,移動量と向きの統合方法についての有力な説はない.本研究では,深層学習の一つで時系列情報が扱えるLSTMを用いて統合させることとした.実験では,移動量を計測するための加速度センサ,向きを計測するための角速度センサを搭載した移動ロボットを製作した.また,高精度なRTK-GNSSから得られる位置や速度を真値とし,それに基づいてLSTMの学習を行った.結果としては数学的な数値積分によって算出した従来手法よりも,高精度に位置推定ができることを確認した.
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