オペレータの主視点選択に基づく参照座標系と操縦モードの切り替え手法の確立については、リモート側にロボットアームを追加してカメラアームとすることで、アクティブにカメラ位置姿勢を変更可能とするようにシステムを拡張し、このような移動カメラ画面を主画面(主視点として選択したカメラ画面)とした場合に適切な参照座標系と操縦モードを割り当てた。また作業用アームが別の作業ポイントに移動した際に、カメラアームが自動的に追従する機能を実装した。 参照座標系切り替え時とインデキシング操作時の操縦デバイスの姿勢制御については、移動カメラは固定カメラと違ってアクティブにカメラ姿勢が変更できることから、操縦デバイスと画面内のリモート側のロボットアーム手先の姿勢の整合性を保ったままカメラの姿勢を変更する手法を考案した。具体的には、カメラの注視点(focal point)を対象作業の注目点に合わせ、操縦デバイスの姿勢とカメラ画像内のロボットアーム手先の姿勢が常に一致するように移動カメラをカメラの注視点回りに回転させる方法とした。 並進パラレル機構と回転ジンバル機構を組み合わせたコンパクトな操縦デバイスの設計開発については、まず並進パラレル機構部を試作し、必要な動作範囲や使用するモータに求められる特性について検討した。 カメラアームに搭載された移動カメラを導入して拡張したシステムの操作性を実験的に評価し、複数の作業ポイントに渡る一連の作業においては、作業アーム手先カメラと固定カメラだけでは必ずしも奥行き情報が十分に把握できない場合があり、その際には移動カメラが有効に機能することが確認できた。
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