研究課題/領域番号 |
20K12015
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
李 周浩 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80366434)
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研究分担者 |
島田 伸敬 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10294034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 痛み / 表情 / シミュレーションロボット |
研究実績の概要 |
本研究で明らかにしたいことは以下のとおりである。a) 痛みと顔表情のデータベース構築、b) 痛みを感じた際の顔表情の特徴空間への射影、c) 人手による顔表情からの痛みの点数化、d) 痛みを表す顔表情の種類の分類、e) 与えた痛みとc,dの結果に基づいた痛みと顔表情のモデル生成、f) 顔表情の自然な表示手法、g) 顔表情による痛み表現を行う関節ケアシミュレーションロボットを用いた訓練の効果。 本研究は、痛みと顔表情のデータベースを生成しそこから痛みと顔表情の関係性をモデル化するステップと生成されたモデルに基づいて関節ケアシミュレーションロボットに痛みを顔表情で表現しこれの有効性を評価するステップの大きく二つの段階で分かれている。 被験者を募集し、実験内容を説明した上で許可を得て、健康に悪影響を与えない公認された市販の低周波マッサージ機を用いて強度の異なる痛みを与えながらその際の被験者の顔表情、しぐさ、声などを記録し、被験者の時系列データをモニタリングしながらマニュアルによる点数化、注釈付けを行った。痛みと顔表情のモデル化は、与えた痛み、特徴空間に射影されたデータ、アノテーション情報を元に、ファジモデルで痛みと顔表情の関係性をモデル化した。 さらに、痛みと顔表情の関係性モデルを適用した関節ケアロボットの有効性評価の方法について検討を行なった。痛み表現の種類と痛みの大きさを入力に、それに該当する顔表情をCGで出力するプログラムを、既存研究成果を拡張して開発した。生成されたCGは顔の輪郭をしたディスプレイにプロジェクタにより投影してビジュアルフィードバックを実現した。痛みの再現だけではなく、ロボットに個性を与えてその個性によって感情遷移を行い多様な痛み表現ができるように感情遷移モデルを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画していた通りに研究は順調に進展している。コロナ禍で被験者実験が思いのまま進まないこともあるが、本格的な被験者実験は今年度であるため大きな影響はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
計画した通りに研究を遂行していく予定である。 本研究で明らかにしたい内容は以下である。a)痛みと顔表情のデータベース構築、b)痛みを感じた際の顔表情の特徴空間への射影、c)人手による顔表情からの痛みの点数化、d)痛みを表す顔表情の種類の分類、e) 与えた痛みとc,dの結果に基づいた痛みと顔表情のモデル生成、f)顔表情の自然な表示手法、g) 顔表情による痛み表現を行う関節ケアシミュレーションロボットを用いた訓練の効果 1、2年目にa), b), f), c), d), e)がほぼ完成できたため3年目には予定しているg)の実証実験を行い、全体の研究が計画通りに遂行されるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際、国内学術会議が全てオンライン開催であったため出張費の執行がなかった。また、コロナの影響で被験者実験が行えなかったため次年度に繰り越された。 繰り越された研究費は予定通りに被験者実験を行う、国際、国内会議に参加して成果報告を行うなどで計画通りに執行する。
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備考 |
RU-PITENS-databaseは、被験者実験で電気刺激を与えて得た痛みの表情をラベル付きで公開したデータセットのページで、RU-FEMOIN-databaseは被験者実験で得た多様な年齢の表情データセットである。いずれも英語のページでデータセットを公開している。
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