研究課題/領域番号 |
20K12016
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
小林 裕之 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (80338219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己位置推定 / 機械学習 / 屋内定位 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究は照明光の明滅状態を機械学習モデルで分類することで、照明光の個体識別を行い自己位置推定を行うというのが概要である。基本的な原理を実装した技術は2020年度に完成し、2021年度は実用化のためのシステム構成を行い、2022年度は位置推定精度の向上を主な研究目的とした。 これまで、本研究は本質的に照明光の分類であり、それを応用した位置推定としては照明機器の設置の粒度が精度の上限であった。発表会等で本研究に興味を持っていただいた企業等からもより高精度な位置推定の可能性について問い合わせを受けることがたびたびあった。 そこで2022年度は、従来の分類モデルを回帰モデルとして使うことを検討した。単純に回帰モデルとして作成し直しただけでは全く性能がなかったが、昨年度までの高精度な分類モデルを前段に配置し、その後で切替式の回帰モデルを適用する "Zone-Classified Regressor model" を新たに提案し、これにより照明光の粒度を上回る位置推定精度を実現した。 この成果は国内の会議SICE SI部門講演会で発表し、優秀講演賞をいただいた。また、この成果も含めてこれまでの研究成果をまとめた論文を執筆し、英文のジャーナルペーパーとして投稿した。後者については採択が決定し、2023年6月に出版される予定である。また、本研究について出願中であった特許が認められ、2023年度中に権利化できることになった。 一方で2021年度からの懸案であった広域化についてはほとんど研究が進まなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にあった広域での利用可能性については完全に遅れてしまっている。一方でその逆とも言える局所的な位置推定精度の向上について、今年度は大きな進展が見られた。そのため、計画そのものが当初のものと少し方向性が変わってきたと言える。 そのようなずれた方向性の中で進捗具合の大小だけを単純に比較するとするならば、2022年度は概ね順調であったと言える。ジャーナルペーパーの採択や特許の取得などの目に見える成果も出た。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に新たに着想を得た、より高性能な局所推定の手法を洗練することを第一の目標とする。現在のものは非常に荒削りで、コンセプトを実証できたレベルの実装であるが、これをもう少し一般化したものにする。 それと並行して、現在平面上での位置推定にとどまっている本手法を空間中の3次元位置推定にも応用できないかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で計画していた会議(国内・国際)がキャンセルされたため。 未使用額については2023年度の学会発表と論文投稿に使うことを計画している。
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