研究課題
基盤研究(C)
触覚と聴覚により知覚される食感を推定する多感覚統合モデルを提案した。ガウス過程回帰モデルに対して食品を計測した際の力と振動、音のデータから決定した特徴量を入力し、サクサクなどの官能評価値を出力として推定した。実験を通じて官能評価の範囲の5%以下の小さな誤差で推定ができることを確認した。加えて、咀嚼の進行によって変化する食感を推定するモデルとして、計測データと過去の食感の強度から現在の食感の強度を推定する状態空間モデルを提案し、モデルの有効性を実験により確認した。
計測工学
多感覚統合によって食感を推定する方法は食感推定において新たなアプローチであり,インパクトも高い.また,時間変化を伴う支配的食感についても挑戦的な試みであり,咀嚼の開始から嚥下までの過程を対象とするOral processingの考え方に沿っている.いずれも食感を推定する新たな方法を提案できた.食感は固形食品のおいしさを決定する需要な要素とされており,食品開発においても評価のニーズがある.本研究の成果を,食感の定量化のニーズをもつ企業への技術移転を進めたい.