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2021 年度 実施状況報告書

マイクロ流体技術と光遺伝学技術の融合によるタンパク質発現ダイナミクスの精密制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K12050
研究機関工学院大学

研究代表者

金田 祥平  工学院大学, 工学部, 准教授 (10542467)

研究分担者 磯村 彰宏  京都大学, 高等研究院, 連携助教 (70512466)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードマイクロ流体技術 / 光遺伝学技術 / タンパク質発現ダイナミクス / フィードバック制御
研究実績の概要

本研究では,マイクロ流体デバイス技術と光遺伝学技術を融合することで,2種類の入力としての低分子化合物濃度条件と光刺激条件を精密に制御可能な実験プラットフォームを構築し,出力である時間変化を伴ったタンパク質発現量(タンパク質発現ダイナミクス)のフィードバック制御を実現する.また,構築したプラットフォームを用いて,タンパク質発現ダイナミクスの細胞機能制御への意義を解明することを研究の目的とする.
2021年度は, 以下の研究項目①~③を実施した.
①2入力発現制御と蛍光タンパク質によるダイナミクス可視化技術の確立:前年度に作成した青色光の刺激により,数秒の露光時間で観察可能な赤色蛍光タンパク質(RFP)を発現し,その分解速度を低分子化合物のトリメトプリムにより濃度依存的に抑制可能なマウス横紋筋細胞(改変C2C12細胞)を後述の2種類のデバイス上の細胞培養チャンバに播種し,培養ならびにRFP発現量の時間変化をモニタリング可能であることを確認した.
②2入力発現制御用マイクロ流体デバイス :前年度に開発した低分子化合物濃度と光刺激の2入力を精密に制御可能なマイクロ流体デバイスを中心とした実験プラットフォームを完成させた.光刺激により発現した改変C2C12細胞のRFPの蛍光強度をモニタリングし,蛍光量に応じて,低分子化合物濃度の条件(低分子化合物ありとなし)を切り替えることに成功し,2022年度に開発するフィードバック制御系の基盤を構築した.
③タンパク質発現応答の網羅解析用マイクロデバイス:前年度に開発した低分子化合物濃度8条件におけるタンパク質(RFP)発現の応答を網羅的に取得可能なデバイスに改変C2C12細胞を播種し,低分子化合物濃度によってRFP発現ダイナミクスの応答が異なることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度もコロナ禍の影響があったものの,研究代表者が当初予定していた2種類のマイクロ流体デバイス(①2入力発現制御用と②タンパク質発現応答網羅解析用)を中心とした実験プラットフォームを完成できたことと,分担者が2020年度に作成した青色光刺激によりRFPを発現し,その分解速度を低分子化合物のトリメトプリムにより濃度依存的に抑制可能な細胞を上記2種類のデバイスの評価試験に用いることができたことを鑑み,概ね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

2022年度は,(1) フィードバック制御系の確立によるタンパク質発現制御の高精度化を実現する.タンパク質発現応答網羅解析用マイクロデバイスで得られた2入力に対するRFP発現量の応答特性から伝達関数を取得し,発現ダイナミクスのシミュ レータをMATLABを用いて作成.これを用いてPID制御のゲインパラメータを調整し,タンパク質発現制御を高精度化することを試みる. 続いて,(2) 青色光刺激により分化誘導因子を発現し,その分解速度を低分子化合物のトリメトプリムにより濃度依存的に抑制可能なマウス神経幹細胞を作成し,当該細胞と(1)のフィードバック制御系を用いてタンパク質発現ダイナミクスの細胞機能制御への意義を調べる.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で実験回数が想定より少なくなったことに加えて半導体不足の影響で,所望の光刺激・RFP観察用のLED光源の調達が年度内に間に合わず,次年度に持ち越されことにより,次年度使用額が生じた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 本科学研究費補助金についての基本情報

    • URL

      http://klab.tokyo/about/budget/

  • [備考] 本科学研究費補助金研究の概要

    • URL

      http://klab.tokyo/research_category/microfluidics/

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公開日: 2022-12-28  

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