初年度は、胎動の有無に加え腹部の胎動の場所を客観的に計測するためのセンサの開発を行った。 妊婦帯に圧力センサを複数配置することで、妊婦の腹部皮膚表面に現れる胎動を計測計測する。妊婦帯には株式会社ロースマダムのワンタッチ妊婦帯 幅広タイプを用いた。圧力センサにはInterlink Electronics社製FSR406を用いた。圧力センサ1個の大きさは43.7 x 43.7mm、感圧領域は40 x 40mmである。妊婦帯に上下左右隣り合う距離が等しくなるように約6cm間隔でFSR406を11個配置した。得られた圧力センサ群のデータは、M5Stackを用いて60Hzで計測が可能である。SDカードに記録可能であり、32GBのSDカードでは約222日間記録することができる。予備実験において、装着者の微動な身動ぎなどでも圧力センサが反応することを確認している。そこで予期せぬ体験者の身動ぎを計測するために3軸の加速度センサも配置した。 また、計測した胎動データを腹部3Dモデルにマッピングし、胎動の動きも視覚化できる胎動ディスプレイの開発も行った。腹部に搭載したLEDマトリックスにて計測した胎動データを可視化できる。また既に記録したデータだけでなく、リアルタイムに表示することも可能である。また、1日分の胎動を1分で再生するなど、計測した胎動を指定した時間軸で胎動を再現することもできる。 胎動スキャナを用いて実際に胎動を計測できるのか実験をおこなった(1名のみ)。結果、胎動と思われる圧力の変化を確認することができた。開発した胎動スキャナを用いることで、皮膚表面に発生する胎動を客観的に計測できることが示唆された。
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