研究実績の概要 |
COVID-19の影響で、関西医科大学や大阪電気通信大学への立ち入りが断続的に制限された。このため本研究では、DX医療に焦点を絞って各種のソフトウエアを開発した。 まず、Unityの領域分割アセットを利用して、過去に取得していた術前術後の患者DICOMを領域分割し、それを3D Slicer(https://www.slicer.org/)による領域分割の結果と比較した。その過程で、その手続きの簡便性や領域分割結果の妥当性を埜中医師(研究分担者)に遠隔で評価してもらった。これより、領域分割の精度向上およびそのルーチン業務化の検討が進展した。 次に、術前術後の2つのDICOMの位置・姿勢・スケール合わせは、陳教授(研究分担者)の機械学習ソフトウエアを利用し、ホワイトマターやブラックマ ター、および頭蓋骨などの不変領域を手掛かりとして、高精度で実施できた。 さらに、患者のDICOMを人工的に変形させて人工ブレインシフトを生成し、その答えとなるブレインシフトを6種類のSLAM特徴点抽出ソフトウエア(SIFT,SURF, KAZE, AKAZE, ORB, BRISK)で検出し、その精度を比較検討した。その結果、BRISKとAKAZEが高精度でブレインシフトを検出できることがわかった。 最後に、術前術後を模擬したDICOMペア(患者DICOMおよびそれに人工的なブレインシフトを加えたDICOMのペア)に対して、SLAM特徴点抽出ソフトウエアに内在するパラメータを変えて、前述の結論が一般的に成り立つかどうかを確認した。その結果、BRISK、AKAZEの順で高精度にブレインシフトを検出できることが確認された。
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