研究課題
基盤研究(C)
二つの地域で医療的ケア児の情報共有システムを構築した。一つは「医療的ケア児のケア内容に応じたケアの実施記録」「医療的ケアの計画書、指示書」「保育所・保護者の成長記録」「カンファレンス実施記録」「連絡帳」等を記録可能なアプリとし、私立保育園に通園する5歳の医療的ケア児の保護者、担当の保育師および看護師で実証実験を行った。もう一方は、医療的ケア児相談支援事業所、地域療育センター、短期入所施設、通園センターおよび保育所を利用する医療的ケア児の情報を各施設の職員が、各施設の記録様式で登録した内容を共有可能とするアプリとした。各専門職の入力内容が共有可能となることで安心、安全につながる等の意見を得た。
医療情報学
これまで他機関で発生した医療的ケア児の情報や保護者からのを受け取るためには電話や対面による口頭での連携が通常であったが、本システムを導入することで事前に各機関の記録様式等の形で正確な情報を把握することが可能となった。これにより、より安全な医療的ケアが提供可能となり、またより適切な支援計画への見直しなどにもつながり、医療的ケア児へのサービスの向上につながることが示唆された。令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定では複数の情報連携に関連する加算が新設されたが、これに先駆けてシステムによる情報連携の有効性を示すことができた。