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2021 年度 実施状況報告書

複数位置指紋と自律航法を統合した高精度屋内位置推定システム

研究課題

研究課題/領域番号 20K12075
研究機関千葉大学

研究代表者

大澤 範高  千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30251721)

研究分担者 梅澤 猛  千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (50450698)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード屋内測位 / 位置指紋法 / 自律航法 / 電波 / 逆位置指紋 / MEMSセンサー / Madgwickフィルター
研究実績の概要

移動する端末を対象とし、電磁波や環境超音波を基にした高精度位置推定を行う屋内測位手法を提案・評価することを目的としている。位置指紋法(location fingerprinting)と自律航法(dead reckoning)を従来とは異なる方法で組み合わせ、複数時点で測定した電波強度や環境超音波、姿勢等から構成される特徴ベクトルである位置指紋と自律航法によって求めた移動変位を組み合わせた合成位置指紋から絶対位置を求める位置推定を研究している。
令和3年度は、統合位置推定システムのための自律航法による変位推定方式を検討した。携帯端末で用いられているMEMS加速度センサーと角速度センサーからのデータを基にした自律航法を検討し、Madgwickフィルタを用いて端末の姿勢を推定し,それを基に重力加速度の影響を排除し、加速度の二重積分によって端末の移動した変位を推定するシステムを設計し、Androidスマートフォン上に実装した。
また、実装したシステムを用いて歩行時の変位推定誤差を測定し、6秒以内であれば推定誤差を0.5m以内にできることを明らかにした。
歩行時の測定データを基に、累積誤差の分布モデルを構築し、その累積誤差分布モデルと位置指紋データを基に提案手法のシミュレーションによる評価も行った。変位推定誤差の有無で累積正答率を比較した。許容誤差0.1mとした条件下で、構築したモデルに基づいた自律航法による変位推定誤差を含めた場合の累積正答率は86.4%であり、変位推定誤差を0とした場合と比べて、4.3パーセントポイントの低下に過ぎないことを明らかにした。また、協調位置指紋法の推定誤差の二乗平均平方根誤差(RMSE)を比較すると、自律航法による変位推定誤差を0とした場合は0.07mであり、構築した変位推定誤差モデルからの誤差を含めた場合でも0.13mであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自律航法による変位推定の実現と評価を行った。自律航法によって推定した変位と複数の位置指紋を組みわせた協調位置指紋による位置推定の精度に関する基礎的な評価を行うことができた。これによって、協調位置指紋を利用した統合位置推定システムの研究を進めることができるようになった。

今後の研究の推進方策

引き続き計画に基づいて研究を進める予定である。
令和4年度は、統合位置推定システムの開発と評価を進める予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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