研究課題/領域番号 |
20K12082
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木見田 康治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (60632495)
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研究分担者 |
廣瀬 雄大 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 准教授 (30845516)
日高 一義 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50565736)
天沢 逸里 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80804989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Servitization / Product-Service Systems / 成熟度モデル / ケイパビリティ |
研究実績の概要 |
昨年度、文献と既存手法にもとづき仮説的に決定したケイパビリティを実務家へのインタビューにより改善した。各ケイパビリティは、関連するプロセスの形式化の度合いを示す「能力レベル」と呼ばれる指標を用いて、プロセスが存在しない状態(能力レベル0)から組織全体で標準化されている状態(能力レベル3)の4段階で評価される。さらに、各ケイパビリティは、サービス化の段階を示す「成熟度レベル」を用いて、サービス事業のパイロットプロジェクトを開始した段階(成熟度レベル1)から最適化を図る段階(成熟度レベル5)までの5段階に分類される。この成熟度レベルと前述の能力レベルの2つの指標によりケイパビリティの現状評価と目標設定を行うことを可能とした。 次に、水素エネルギーマネジメントサービスに適用し提案手法の検証を行った。具体的には、同サービスのマネージャーおよびデザイン部門の担当者にインタビューを実施し、成熟度モデルの妥当性と有効性を検証した。さらに、デザイン部門に関しては、社会展示会での情報収集と、計11名のデザイナによる4回のワークショップ(1-2時間/回)を実施した。 以上の結果、以下の有用性を確認した。1つ目は、企業は自社に必要なケイパビリティを見落としなく把握し、不足しているプロセスを具体化できることである。2つ目は、多くのケイパビリティが不足している場合においても、能力レベルと成熟度レベルを用いて優先的に改善すべきプロセスを決定し、その改善案を検討できることである。多くのケイパビリティの改善を要するサービスビジネスを目指すことは結果として期待した効果が得られない場合が多いことから、この優先的に改善すべきプロセスを決定することはサービス化の実現可能性を高める上で極めて重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
次年度に予定していた事例適用を完了し、論文も投稿済みである。
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今後の研究の推進方策 |
成熟度モデルの適用では、組織内の現状を正確に把握するために、関与する人と情報が広範囲になる。そのため、今後の研究では、情報共有や知識の再利用など、成熟度モデルの適用を効率化するシステムの機能要件のアクションリサーチから特定し、開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
covid19のため、予定していた調査の一部が実施できなかった。更に、発表を予定していた会議がオンラインあるいは延期・中止になり、旅費を使用しなかった。
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