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2021 年度 実施状況報告書

ツイート投稿者の感情を推測するための統合的な基盤技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12085
研究機関千葉工業大学

研究代表者

熊本 忠彦  千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (30358890)

研究分担者 灘本 明代  甲南大学, 知能情報学部, 教授 (30359103)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードツイート感情 / 顔文字感情 / 感情推測
研究実績の概要

メールやTwitterでやりとりされているようなテキストベースのメッセージ交換では,相手の表情や仕草を見たり,声を聴いたりすることができないため,メッセージの意図(主にその感性的側面)を正確に捉えることができず,何らかの齟齬が生じることも少なくない.このような問題を回避するための一つの手段として,顔文字のような非言語表現が補助的に用いられることもあるが,その用法は直感的であり,顔文字がメッセージの感性的側面に対してどのような影響を及ぼしているのかについては不明な点も多い.
そこで本研究では,140字以内の短い文章(いわゆるツイート)を対象に,ツイートの感情,顔文字の感情,顔文字付きツイートの感情という3種類の感情を多次元ベクトルとして定量的に扱うことで,顔文字から感じる様々な感情がツイートから感じる様々な感情にどのような影響を及ぼすかを定式化するとともに,その成果を申請者らが開発したツイート感情推測手法と統合することで,顔文字が付いたツイートからツイート投稿者の感情を推測するための統合的な基盤技術を確立することを目的としている.
令和3年度は,男女2,179が参加する大規模なアンケート調査を行い,顔文字付きツイート(全200件)の感情を定量化した.このとき,対象とした感情は「悲しい,嫌い,安心,怖れ,高揚,好き,喜び,驚き,怒り,恥ずかしい」の10種類であり,それぞれの感情に込められた感情の強さを0点~4点の5段階で評価してもらうことで感情平均値を求めた.この顔文字付きツイート200件のそれぞれの感情における感情平均値を目的変数,前年度までに得た顔文字54個の全感情の感情平均値と(顔文字なし)ツイート200件の全感情の感情平均値を説明変数とする重回帰分析を行うことで,ツイートの感情が顔文字の感情によりどのように変化するかを定式化した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

顔文字の感情がツイートの感情にどのような影響を与えるかを重回帰式という形で定式化し,性能評価(5分割交差検定)により一定の精度で定式化できることを確認したが,実用化のためにはさらなる精度向上が必要と考えられる.また,顔文字感情データベースの大規模化を実施していない.

今後の研究の推進方策

顔文字の種類の拡張に加え,ツイートや顔文字の感情をword2vecやdoc2vecあるいはBERTなどで得られる分散表現(ベクトル表現)と関連付けることで,より高精度な定式化を検討する予定である.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主な理由として,コロナ禍の影響で予定していた国際会議発表を取りやめた点と顔文字感情データベースの大規模化を実施していない点の2点が挙げられる.
まず,海外出張が可能になり次第,これまでの研究成果を投稿し,複数の国際会議で発表したいと考えている.海外出張が可能にならなかった場合は,複数の国内会議において積極的に研究成果を発表したいと考えている.
また,現在54種類に限定されている顔文字の種類を拡張し,大規模なアンケート調査を行うことで,顔文字感情データベースの大規模化を進めたいと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 複数の感情分析ツールを統合したメタ感情分析手法の提案2022

    • 著者名/発表者名
      熊本忠彦,蒋承志
    • 雑誌名

      日本データベース学会和文論文誌

      巻: 20-J ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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