研究課題/領域番号 |
20K12087
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森山 真光 近畿大学, 情報学部, 准教授 (00283953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 暗号資産 / ブロックチェーン / コールドストレージ / マルチシグ / ウォレット |
研究実績の概要 |
当該年度は策定したプロトコルを複数の暗号資産ウォレットと連携可能なm-of-nマルチシグに対応するコールドストレージ機能に拡張した。コールドストレージとしてシングルボードコンピュータを用いた。加えて、コールドストレージの安全性を高めるために、暗号資産ごとにハードウェアウォレットを準備し、複数のハードウェアウォレットをコールドストレージとなるシングルボードコンピュータと接続し秘密鍵を管理できるように拡張した。暗号資産には、シェアが高く楕円曲線デジタル署名アルゴリズムを用いているBitcoinとEthereumを用いた。Bitcoinについてはブロックチェーンレイヤで実装されているマルチシグ機能を用いて検証した。Ethereumについてはスマートコントラクトによるマルチシグを用いて検証した。これはブロックチェーンレイヤでマルチシグ機能を有していないためである。ただし、スマートコントラクトには重大な脆弱性が発見され資産が流出または凍結される可能性がある。そのため、コールドストレージでのEthereumのマルチシグ機能の実装が必要である。m-of-nマルチシグではn個の署名者の暗号資産ウォレットを識別して署名する必要があるため、ワンタイムパスワードや個体識別番号による識別をプロトコルに追加した。これらのプロトコルについてシンブルボードコンピュータによりプロトコルの検証を行った。本プロトコルをEコマース構築パッケージのプラグインとして実装する準備段階として、マルチシグエスクロー取引の機能実装と検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
暗号資産については、楕円曲線デジタル署名アルゴリズムを用いているBitcoinとEthereumに加えて、エドワーズ曲線デジタル署名アルゴリズムを用いているNEMを用いる予定であった。現在、暗号資産NEMはSymbolに大型アップデートされている。今後は本プロトコルの検証として暗号資産Symbolを用いる。 本プロトコルの検証のために、本プロトコルをマルチシグエスクロー取引の機能実装として活用し、Eコマース構築パッケージのプラグインとして実装する予定であった。
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今後の研究の推進方策 |
本プロトコルの暗号資産Symbolにおける検証について、今年度はSymbolを用いたアプリケーション開発やサービス運用を行っている企業と連携し進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で出張できず、学会発表及び研究打ち合わせのために計上した予算が執行できなかったため。 次年度の使用計画に加えて、当該年度に発表予定であった学会発表を次年度で実施する。
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