研究課題/領域番号 |
20K12088
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
浜元 信州 群馬大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (80432095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Shibboleth / Moodle / GakuNin / LMS |
研究実績の概要 |
本研究の課題は2つあり,一つは安全な共同利用LMSの実現に向けた匿名ID利用である。もう一つは,学習ログを自動取得化するとともに詳細な学習ログの提供を行う事である。この実現のため,学認LMSで利用しているMoodleを学認により複数機関で共同利用した場合の成績を確認する成績確認システムの開発を行っている。 今年度は,匿名ID利用の検討については,検証環境で試験用IdPと試験用SP2つを構築し,匿名IDを属性として提供できるかどうかの検証を行った。しかしながら,現状では匿名IDの提供には至っていない。 一方で,学習ログの詳細化は,学認LMSで提供される学習ログ情報が基本的な情報となっているが,今年度,学認LMS上の教材が変更となったため,提供される学習ログにも変更があった。これに合わせ,学認LMSと連携した成績確認システム側でも,変更されたログ出力型に合わせた実装を行い,ログ取得が可能となるようにするとともに,表示の改善を実装した。本研究についてはIOTS2021に採択されポスター発表を行った。さらに,学習ログの詳細化の検討を進めるため,学認LMSの稼働しているMoodleでのログ解析をクラウド上で安全に行う環境をelasticsearchとkibanaを利用して構築した。この環境では,Moodleのログのうち個人情報に関わる部分も匿名化したうえでクラウド側に保存する。データ利用時には,Kibanaにアクセスするためのプロキシを作成し,実名に変換したうえで検索,表示するシステムである。こちらは,KES2021に採択され発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
匿名IDの実装については,当初の予定ではNameIDではなく,独立した属性としての提供を今年度までに実現することを計画してきた。しかしながら,検証環境を作成しIdP開発を行ってみたものの,実現が想定外に難しいため,現在まで実装に至っていない。このため進捗は遅れている。 一方で,学習ログの詳細化を今年度実施予定であり,ログ取得の自動化については昨年度実施を予定していた。現状で受講履歴などの生データの取得と提供が実現しているが,その詳細化と解析結果の提供は実装できていない。また,ログ取得の自動化も実現できておらず遅れている。これらの状況からやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
匿名ID利用に関しては,検討の結果,属性として提供することが簡単でないことが判明した。一方で,nameIDで提供される仮想組織での匿名IDは,現状でePTIDとして提供されている。このため,ePTIDから仮想組織の匿名IDを抜き出すことで,まずは共同利用の成績確認システム実現を目指す。また,ePTIDではなく独立した属性としての実装も引き続き検討を進める。 学認LMSとの自動連携については,学認連携LMS側で自動連携のためのAPI実装が完了しており,現在提供に向けてNII側と検討を進めている。また,受講履歴の詳細化についても,学認LMSの教材変更に合わせて,簡単な解析結果を提供する実装を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の拡大のため,出張予定だった国際会議がリモート開催となったため。
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