本研究の目的は、(1)Shibbolethを利用した共同利用LMSの匿名化と、(2)受講情報確認システムの実装である。(1)の匿名化については、昨年度までに検証環境での匿名化を実施した。実環境での展開については、群馬大学のIdPがShibbolethではない製品になったため実現できなかった。 (2)については、2022年度までで、受講情報確認システムの実装は終了しgithub上で公開した。2023年度は受講した学習ログ分析を進め国際会議KES2023にて口頭発表を行った。ここでは、群馬大学を例に、学認LMSで提供されている情報セキュリティ教材である「倫倫姫の情報セキュリティ教室」の最終テストの結果と受講時間等の学習ログの結果の関係を調査した。ここでは特徴量として、各コースの経過時間の平均と標準偏差、最終テストの受験回数を特徴量ととして採用し、これらの特徴量でクラスタ解析を行い受講状況、最終テストともに8クラスタに分類した。両クラスタの関係を調査した結果、速やかに受講が終了し最終テストも速やかに終わるクラスタが存在することが分かった。 また、関連する学習分析として学認LMSを運用しているプラットフォームであるMoodleとJupyter Notebookを連携させた学習ログ分析に関して、情報処理学会CLE研究会で口頭発表を行った。ここでは、Notebookのセル実行回数を特徴量としたクラスタ分析を行った結果、我々の提供したNotebook教材では、Moodle課題を正解できるNotebook実行状況を表すクラスタを特定することができた。
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