研究課題/領域番号 |
20K12108
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
立岩 佑一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30534367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | e-learning / ネットワーク / 演習環境 / SAT |
研究実績の概要 |
学習者が簡単な通信実験においてネットワークの動作を観測・分析するための通信実験ツールスイートの研究として,次の二つのツールの開発と評価実験環境の準備を進めた. ステップ実行およびレジューム可能なネットワークシミュレータ:これまではサブネット(ホストとスイッチから構成され,ルータを含まない)において,一部のネットワーク通信をシミュレーションしていたが,これをルータを含むネットワークにおいてもシミュレーションできるようにした. 通信設定を生成可能なネットワークエディタ:簡易的な通信モデル(ホストとスイッチ間でIPパケット伝達を計算するもの)に基づいて制約条件を作成して,その条件で制約充足ソルバにより通信結果に対する通信設定の一部を求められることを確認した.また,ネットワークシミュレータのソースコードおよびRFCを参考に,ルータを含む通信モデルの作成に着手した. ネットワーク構築のためのウェブ型演習システム:このシステムは通信実験ツールスイートの評価実験用の環境として2020年度に開発された.このシステムはサーバやルータなどを仮想マシンにより実現し,それらから構成されるネットワークを演習サーバ上にて稼働させ,それをウェブブラウザにてユーザのPCから操作するサービスを提供する.2021年度では,評価実験を見据えたネットワーク構築演習のテキストを作成し,それに基づいて利用した際の利用者アンケートをとり,基本的な性能評価を行った.さらに,ユーザ体感品質(QoE)評価をとり,従来の類似システムとの優位性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
下記の予定外の事情により,進捗がやや遅れていると考えている. 「ステップ実行およびレジューム可能なネットワークシミュレータ」の開発において,ミャンマーの博士過程学生と共同研究を始めているが,国内事情によりこの学生が研究時間を十分に取れていない. 「通信設定を生成可能なネットワークエディタ」の開発において,これまでの通信モデルは拡張困難であったため,一からモデルを設計しなおし,これに時間をとられた.
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今後の研究の推進方策 |
「ステップ実行およびレジューム可能なネットワークシミュレータ」の開発においては,当該学生とは2022年春くらいから研究ペースが回復してきたため,打ち合わせの頻度をあげて,研究をスムーズに進むようにする. 当初予定した評価実験は研究代表者の授業(秋開始)にて実施する予定であるが,授業開始に間に合わないことが予想されるため,2023年明けにて研究代表者の属する研究室の学生での実施を目指し,必要な教材を準備する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗に遅れが生じているため,機材や学会発表及びその旅費にて使用していないため.
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