研究課題
触力感覚を提示するインタフェースの再現精度と、対象を、視覚的臨場感を伴って提示するためのディスプレイの性能の向上を図る。触力覚インタフェースでは遠隔通信による遅延が発生し、触力感覚の提示精度が低下する。そこで、操作者の筋電信号から手の動きを推定し、その遅延を緩和する。このとき、動きの推定精度を向上するには、手指動作と筋電信号とを組にしたデータセットを大量に用意する必要がある。しかし、現実問題としてそのような大量のデータセットを用意するのは困難である。そこで、既存データセットを用いて非固有特徴を捉え、個別に取得したデータセットで固有特徴を捉える方策を採用した。複数のセンサで筋電信号を取得し、それを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に入力して手指の動きを推定した。信号の時間変化において手指動作の切れ目を判定するのは難しいため、動きを繰り返した信号に周波数変換を施し、切れ目判定を不要とした。一定時間範囲の画像を入力とすることで、画像認識の問題設定に変換してCNNを利用した。その結果、非固有特徴を捉えることにはある程度機能したが、実用されるに十分な精度を得るには至らなかった。これは、訓練データと検証データとの特徴が異なっており、学習モデルが対象の特徴を十分に捉えることができていないためだと考えられる。体感的インタラクションの対象を視覚的に提示するディスプレイとして、三次元情報を立体表示できるホログラフィを採用している。ホログラフィのカラー再生にはRGB各色の再生像の画質および多重化による表示像の色域拡大が必須である。色再現性を向上させるには、特に短波長の光に対する特性を改善する必要がある。そこで、青紫色の光で再生できる像の解像限界を調査し、時分割多重再生法を用いて点群密度の高い物体や、曲線を持つ物体に対する再生像の特性を改善できることを明らかにした。
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画像電子学会
巻: 51 ページ: pp.157-163