研究実績の概要 |
本研究課題はクラシックピアノ音楽を対象に,楽曲構造を中心とした楽譜情報から演奏表情の傾向を抽出し演奏表情モデルを構築することを目的としている.令和2年度はCDやYouTubeなどから得られる音声データなどの楽曲演奏情報とMusicXMLの形式で表現される楽譜情報から演奏表情を抽出するデータ整形システムを構築した,このシステムを用いることにより,既存の音楽演奏表情データベースなどに頼ることなく演奏表情が収集できる,このシステムで得られるデータにより演奏表情解析を行った,また先行 研究との解析結果の比較も行った,実験の結果,いくつかの演奏記号が演奏表情であるテンポ変化に影響を与えることが分かった,また先行研究との解析結果の比較では決定係数および偏回帰係数で同じような傾向の結果が得られた以上を踏まえて本研究で構築したデータ整形システムは有用性があるという結論に至った. 本研究成果はシンガポールで主催されオンラインで開催された国際会議The 8th International Conference on Computer and Communications Management (ICCCM 2020)において, Mizutani, T. and Hasegawa K.: A Data Cleansing System for Musical Expression Analysis, Proceedings of the 8th International Conference on Computer and Communications Management (ICCCM 2020), the International Conference Proceedings Series by ACM, 2020, pp. 111-116. として公表された.なお,この発表は本国際会議でThe Best Presentationとして選定された.
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