研究課題/領域番号 |
20K12126
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大村 英史 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 講師 (90645277)
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研究分担者 |
柴山 拓郎 東京電機大学, 理工学部, 教授 (80366385)
中川 隆 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (60631124)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音律 / インスタレーション / MR / 作曲システム |
研究実績の概要 |
本研究では,連続的な音高(音の高さ)から絶対的な音名を定義せず,音高同士の周波数比に基づいたあらゆる音高を利用可能な方法論を提案する.そして,この方法論に基づくインスタレーションを開発し音楽の可能性を拡張することを目的とする.具体的には,オクターブ内に12個の音高として規定されてきた音律を検討し,これらの音律を包含しかつあらゆる可能性の音高を選択可能な音律モデルをおこなう.このモデルをインスタレーションとして仮想現実空間内に実装することで,体験者の音楽的な表現および聴覚体験のエンハンスメントを期待する. 2020年度は,音高の三次元空間での表現表現から音高の導出理論の制定を行った.これらは基本的な整数比(1から7まで)によって導かれる.また,この理論をコンピュータ上での実装をおこなった.この実装により,音や和音の近さは音楽の進行にも依存しており,音楽の進行を考慮する必要性がある事が分かった.これにより,比から導かれる和音の関係を曲の進行とともに解釈を変えていくための方法論を導き木構造で表現するシステムの開発を行った.また,これらの理論について東京大学進化認知科学研究センターで開催されたシンポジウム「音楽科学の意義と展望」で講演を行った.さらに,音楽における情報論的観点を音だけでなく音以外まで拡張して捉えた方法論の議論を,人工知能美学芸術研究会から出版された図書に寄稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音高同士の周波数比に基づいたあらゆる音高を利用可能な方法論を提案し,計算機に実装を行うことができた.この方法論に関連する研究については,発表することができたが,この方法論自体を発表することができていない.また,楽曲制作,楽曲生成システム開発については2020年度に取り組み始める予定だったが,まだ取り組めていない.
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今後の研究の推進方策 |
まず,2020年度にやりのこした方法論の発表を行う予定である.また,この方法論に基づいた楽曲制作と共に楽曲生成システムにも早期に取り組む.2021年度には,三次元空間をMRに実装に取りかかる予定である.試作段階での実装では,インタラクティブに音と接触する際のインターフェースの方法について検討する必要があることが分かっている.これらをしっかりと検討するために,インタフェースについてはMRに取り組むだけでなく,まずはVR環境でのシステム設計から取り組む予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表を行うことができなかった.2021年度に行う予定である.
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