研究課題/領域番号 |
20K12134
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中村 隆志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (20513641)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 造礁サンゴ / 流速依存性 / 光合成速度 / 石灰化速度 / モデル化 |
研究実績の概要 |
実験室内にて水流循環型の飼育水槽を作成した。そして造礁サンゴに先んじて、海草(リュウキュウスガモ)を用いて、様々な流速条件下や光量下において海草の光合成速度や呼吸速度の測定を行い、それらの有意な流速依存性を明らかにした。また、その結果を用いて、呼吸速度と流速との関係および光合成速度と流速、光量との関係をそれぞれモデル化した。 実験室水槽内で造礁サンゴを飼育し、マイクロマニピュレーターを用いた微小溶存酸素(DO) 電極を精密操作するシステムを開発し、このシステムを用いて様々な流速条件におけるサンゴ表面のDOの鉛直プロファイルを計測し、DBLの層厚を調べた。また、このプロファイルからサンゴの正味の光合成速度の測定する方法を確立した。その際の生物極近傍の乱流構造を観察するために、ナロービームのLED光源を用いたParticle Image Velocimetry (PIV) による流れ場や乱流構造の可視化手法の開発を行った。 野外でのサンゴ礁生態系の代謝応答の測定については、コロナ禍により本年度は実施することができなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、出校が制限され十分な実験を行うことができなかった。また、石垣島での野外調査を計画していたが、出張も制限されていたため実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後のコロナの感染状況によるが、2021年度は室内実験を中心に実施し、2020年度に開発した流水式の飼育水槽やDBLの観測手法や光合成/石灰化速度の測定方法を適用し、造礁サンゴの光合成速度の流速依存性を明らかにし、それとPVIによる乱流構造との関連性を調べモデル化を行う。また、2021年度に石垣島での野外調査が実施可能であれば、溶存酸素センサーを水平に三角形に配置し、中心に流速計、水位計、光量子計を設置することで、オープンな環境で連続的にサンゴ群集の光合成速度を測定する手法を確立する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、野外調査を行うことが出来なかったため、次年度に実施することとし、そのための出張旅費を次年度に繰り越したため。
|